患者さんは、40代 女性 です。
帰省中に熱湯が左下腿から足にかかり、熱傷されました。
地元の病院で湿潤療法にて加療されておられました。
受傷後1週間目に大阪へ戻ってこられ、「湿潤療法」をしていると宣伝していた地元のクリニックを受診されました。
しかし、実際は湿潤療法をしておらず、ガーゼ処置を受けられ、挙句の果てには、「植皮をしないと治らない。植皮が必要だ。」と言われたそうです。
そこで医師の説明に納得がいかず、色々と調べられ、当院を受診して頂きました。
もちろん、植皮はせずに湿潤療法で治ることを説明し、プラスモイストで加療致しました。
熱傷部がケロイド状になり、関節のスムースな動きが妨げられる場合には、機能改善目的にて「植皮」が必要な場合が御座います。
(特に、1歳半以下のお子様が、炊飯器の蒸気により手掌熱傷された場合。)
しかし、一般的に、植皮をしないと治らない熱傷は無いと思います。
まず、湿潤療法で加療し、その上で必要(機能改善等の目的)であれば植皮をするという順番でないと、植皮せずに治る熱傷に対しても植皮をしてしまう事になってしまい、不必要な手術を患者さんが受けてしまう事になってしまいます。
植皮を受けられた患者さんは、熱傷部以外にも、熱傷部に貼り付ける皮膚を採取する為に、新たな傷が残ります。
しなくてよい手術であれば、しないにこしたことは無いと思います。
(加療後34日後の側面写真を撮影する事を失念してしまいました。)
明日、17日(火曜日)午後診は休診となります。
午前診は通常通りです。
大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。