患者さんは、1歳の可愛い可愛い男の子です。
おかゆをひっくり返してしまい、熱傷されました。
かかりつけの〇〇小児科からの紹介で、〇〇外を受診されました。
消毒、ガーゼ処置の上、毎日通院するように言われたそうです。
そこで、熱傷に関し、色々とネットで調べ、「湿潤療法」という治療法をお知りになられました。
「湿潤療法」をしていると謳っている、地元の〇〇病院を受診。
しかし、医師から
「湿潤療法は感染する可能性が高い。この熱傷に対しては、湿潤療法はしない方が良いです。」
と言われ、フィブラストスプレー、ガーゼ処置だったそうです。
そして、毎日通院するように言われたそうです。
処置のたびに、泣き叫ぶわが子を見て、これはなにかおかしいと思われ、再度「湿潤療法」をしているクリニックを探され、ご遠方より当院を受診されました。
もちろん、湿潤療法で治療いたしました。
毎日、シャワー、入浴 OK です。
感染状態にはなりませんでしたので、抗生物質は処方しておりません。
本当に残念なことなのですが、湿潤療法をしているとH.P.等に書いておきながら、実際受診してみると「この傷には湿潤療法はしない方がよい。」と言われて、してもらえない事が結構あるようです。
患者さんはいつも憤って、当院を受診されます。そりゃあそうです。お忙しい中、湿潤療法希望で受診してみたら、湿潤療法はしておらず、消毒され、痛い思いをされたら、腹も立ちます。湿潤療法をされない事は自由ですが、であるならば、湿潤療法をしていると宣伝等をされないようにして頂きたいです。
患者さんが本当にかわいそうです。
湿潤療法が適さない傷、熱傷は御座いません。
どのような、傷、熱傷に対しましても、湿潤療法は可能です。
もしも、「この熱傷には湿潤療法は出来ません。」と医師から言われましたら、その医師は湿潤療法を理解していない医師という事です。