患者さんは、5歳の可愛い可愛い女の子です。
ドアに右小指を挟んで、裂傷されました。
湿潤療法をしている医療機関を探され、当院を受診されました。
従来通りの治療法であれば、
① 切れている部位を縫合する。
② 断端は壊死するからという理由で、断端を切除し、断端形成する。
のどちらかだと思います。
少なくとも、私が病院勤めの頃(今から約10年前)はそうでした。
しかし、湿潤療法をするようになり(今から約8年前)、上記のいずれも間違っていることが分かりました。
①に関しましては、湿潤療法で治療いたしますと、無理に縫合せずに綺麗に治るからです。
②に関しましては、言語道断です。断端形成をしてしまうと、5歳にしてこの子の小指は短くなってしまいます。
湿潤療法をしても壊死する場合は御座います(糖尿病性壊死等)。
その際は、壊死した部分のみ切除すれば良いのです。
最初から、いずれ壊死するだろうという想像の元、切除切断してはいけません。
切除切断する範囲は、最小限にすべきだからです。
指先(爪の根本から先)の裂傷は、湿潤療法で治療致しますと、綺麗に治ります。
(正面)
(側面)