大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、4年間さまざまな皮膚科に通っても治らなかった「顔のかぶれ」が、なつい式湿潤療法で12日間で完治した症例をご紹介します。
◆患者さんについて
患者さんは20代の方です。
4年前から右頬から顎にかけてかぶれが出現し、複数の皮膚科を受診されました。
さまざまな保湿剤や外用薬を処方されたそうですが、改善しないまま経過したとのことです。
◆処方されていた薬と問題点
診察の際、お使いになられていた薬を確認させていただくと、ヒルドイドローションをはじめとしたすべてがクリーム剤でした。
これらのクリーム剤には、界面活性剤が含まれています。
界面活性剤とは本来、洗剤やクレンジング剤などに使われる成分であり、皮膚バリアを壊してしまう作用があります。
つまり、顔に“洗剤”を毎日塗っていたのと同じことになります。
これでは皮膚の炎症やかぶれが治らないどころか、むしろ悪化してしまいます。
◆「医師が出す薬だから大丈夫」ではない現実
患者さんとしては、「皮膚科で処方された薬なのだから、きっと良くなるだろう」と考えるのが自然です。
しかし現実には、肌を傷つけてしまうような成分を含む薬剤が“保湿剤”として処方されることがあるのです。
当院には、このように長年治らずに困って来院される方が多数おられます。
◆当院での治療:なつい式湿潤療法
当院では、界面活性剤を含む薬剤の使用を中止していただき、
「なつい式湿潤療法」に基づき、プラスモイストでの保護・加療を行いました。
さらに、
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入浴時は石鹸を使用せず、ぬるま湯で洗顔するだけ
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一切、消毒は行いません
というシンプルな指導のみです。
◆驚くべき経過
これまで4年間治らなかった頬〜顎のかぶれが、わずか12日でほぼ完治しました。
患者さんには大変喜んでいただきました。
◆まとめ|顔のかぶれが治らない理由と正しい治療法
「保湿剤を塗っているのに良くならない」「長年顔のかぶれが続いている」
こういった方は、使用している薬剤に含まれる界面活性剤が原因の可能性があります。
当院では、肌に優しい湿潤療法(なつい式湿潤療法)を用いた根本的な治療を行っています。
顔・頬・あご・首のかぶれがなかなか治らない方は、ぜひ一度ご相談ください。

初診時

加療後12日
🌿 なつい式湿潤療法に関するよくあるご質問【FAQ】
Q1. なつい式湿潤療法とは何ですか?
A. 湿潤療法とは、傷を乾かさずに「湿った環境を保つことで自然治癒力を最大限に助ける治療法」です。
消毒液やガーゼを使用せず、創傷を適度な湿度で保護することで痛みが少なく、傷跡もきれいに治るのが特徴です。
当院では「なつい式湿潤療法」に基づいた方法で治療を行っています。
Q2. なぜ消毒をしないのですか?
A. 消毒液は細菌だけでなく、皮膚の治癒に必要な細胞まで殺してしまうため、治りを遅くしたり、かえって傷跡を残しやすくなります。
湿潤療法では、消毒はせず、皮膚が本来持っている再生能力を最大限助けて治します。
Q3. なつい式湿潤療法ではどんな処置をするのですか?
A. ハイドロコロイドやポリウレタンフィルムなどの医療用の透明シールやパッドを使用し、傷を覆って湿潤環境を保ちます。
傷の種類に応じてワセリンを併用することもあります。
自宅では入浴・シャワーも基本的に可能です。
Q4. 痛みはありますか?
A. なつい式湿潤療法はガーゼ交換による「剥がすときの痛み」がありません。
また、傷の治癒も早いため、痛みが軽減されるケースが多いです。
痛み止めが不要なことも多く、お子様や高齢者にもやさしい治療法です。
Q5. 傷跡はきれいになりますか?
A. 傷の深さや場所によって個人差はありますが、なつい式湿潤療法は乾燥させて治す方法に比べて、傷跡が目立ちにくくなります。
特に顔など目立つ部位には適しています。
Q6. 毎日通院する必要はありますか?
A. 基本的には毎日通院する必要はありません。ご自宅での処置方法(とっても簡単です)をご説明しますので、セルフケアで管理が可能です。
ただし、傷の状態によっては数日に1度の通院が必要になることもあります。
Q7. 感染の心配はありませんか?
A. 適切に湿潤環境が保たれていれば、むしろ感染リスクは低くなります。
ただし、異常な痛みや腫れ・熱感・発赤などが出た場合はすぐに受診してください。
Q8. 子どもにも適応できますか?
A. はい、なつい式湿潤療法は小さなお子様にも非常に適しています。
傷の痛みが少なく、ガーゼを無理に剥がす必要もないため、治療のストレスが少なくなります。
当院では数多くのお子様の傷の治療実績があります。
Q9. なつい式湿潤療法が受けられる病院は限られているのですか?
A. はい、なつい式湿潤療法を積極的に導入している医療機関はまだ多くはありません。
当院では、院長が豊富な症例経験に基づき、すべての傷に対して湿潤療法を基本とした治療を行っています。