炎症が強かった首の粉瘤をくりぬき法で摘出|4年後も傷跡はほぼ分からず
大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、炎症を伴って腫れ上がった頚部の粉瘤(アテローム)に対し、くりぬき法で安全に摘出を行い、4年後も傷跡が全く目立たなかった症例をご紹介いたします。
🔹 初診時の状況|赤く腫れて激しい痛み
患者さんは20代の男性です。
約半年前から首の後ろにしこり(粉瘤)を感じていたそうですが、受診の2日前から急激に腫れ、赤くなって強い痛みを伴うようになりました。
🔹 他県からのご来院|炎症があっても手術可能な医療機関を検索
「炎症があっても手術してくれる医療機関」をインターネットで探され、
他府県から当院を受診してくださいました。
🔹 治療内容|くりぬき法で完全に被膜を摘出
当院では、粉瘤に対してくりぬき法(パンチエクセジョン)にて手術を実施しました。
被膜(袋)も含めて完全に摘出できました。
🔹 術後管理|なつい式湿潤療法で消毒も抗生物質も不要
術後の創部は、なつい式湿潤療法で管理いたしました。
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消毒は一切行っておりません
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感染も起こらず、抗生物質の処方も不要でした
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手術の翌日からシャワー・入浴もOK
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すぐに通常の生活に復帰できました
🔹 術後4年経過|再診時に確認した驚きの治癒状態
それから4年後、別のご病気で当院を再受診された際、頚部の手術部位を再度確認する機会がありました。
手術部位は驚くほどきれいに治っており、傷跡はまったく分かりませんでした。
患者さんにも写真撮影にご協力いただきました。
有難う御座いました。
🗣️ 患者さんの声
「どこを手術したのか、自分でも分からないです。すごいですね。」
このお言葉に、私たち医療者一同も大変嬉しくなりました。
✅ まとめ|炎症性粉瘤でも、くりぬき法+なつい式湿潤療法で美しく治癒します
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炎症があっても粉瘤は手術可能です
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くりぬき法により傷を最小限に抑えて被膜を摘出
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なつい式湿潤療法で消毒・抗生物質なし、早期の社会復帰が可能
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4年経っても傷跡がほぼ分からない、非常に良好な結果
粉瘤の手術で「傷跡が心配」「炎症があるから断られた」とお悩みの方も、ぜひ当院へご相談ください。
痛みを最小限に、見た目も美しく治療できる方法をご提案いたします。

赤く腫れて痛みのある頚部の粉瘤。術前の状態です。

頚部粉瘤の内容物をくりぬき法で輩出している様子。

術中、くりぬき法により炎症性粉瘤の被膜を丁寧に摘出している様子です。

術直後、粉瘤を完全摘出した後の創部の状態です。

くりぬき法により摘出された粉瘤の内容物(右)と被膜(左)です。

術後1日目の創部です。なつい式湿潤療法で管理しており、消毒やガーゼは使用しておりません。

術後5日目の創部です。感染傾向はなく、痛みもありません。なつい式湿潤療法により順調に治癒しています。

術後12日目の創部です。感染傾向や痛みはなく、なつい式湿潤療法によりほとんど治癒しています。

術後4年経過した創部の写真です。傷跡はほぼ消失し、どこを手術したか分からないほど綺麗に治癒しています。