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炎症性粉瘤をくりぬき法で手術|抗生物質では治りません

術中

大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。

今回は、左肩の炎症性粉瘤に対して抗生物質が無効だった症例をご紹介いたします。
「炎症が強いと手術できない」と言われた患者さんが、当院で「くりぬき法」によって安全に手術され、順調に治癒されたケースです。


◆患者さんについて

患者さんは20代の方です。
約2年前から左肩にしこりを感じておられたそうで、
最近になって腫れと痛みが強くなり、近隣の〇〇皮膚科形成外科を受診されました。
その際、医師からは

「炎症が強いので、手術はできません。抗生物質で治しましょう。」

と説明され、内服治療となったそうです。


◆抗生物質では治らない理由

しかし、抗生物質を服用してもまったく良くならず、むしろ悪化してきたとのことで、
「炎症があっても手術してもらえる医療機関」をご自身でネット検索され、
ご遠方より当院を受診されました。
ここで明確にお伝えします。


❌ 炎症性粉瘤に抗生物質は無効です

  • 粉瘤の袋の中で炎症が起こっているため

  • 粉瘤の袋には血管が存在せず、薬の成分が届きません

  • よって、どれだけ強い抗生物質でも効果はゼロです

手術を日常的に行っている医師であれば、この事実は理解しているはずですが、
いまだに「とりあえず抗生物質」と処方する医療機関が大多数であることには驚きを隠せません。

しかも、抗生物質は人体に無害ではありません。
効果がないばかりか、副作用による悪影響が出る可能性もあるのです。


◆「くりぬき法」は炎症があっても可能です

「炎症が強いと“くりぬき法”は適応外」とされることがありますが、それは誤解です。
当院では、炎症性粉瘤に対しても、問題なく「くりぬき法」で手術を行っております。

また、

「少しだけ切開して膿を出し、あとは抗生物質で様子を見ましょう」

という処置にも、私は強く反対します。
それでは根本治療にならず、悪化や再発のリスクを残してしまうためです。


◆当院での治療と経過

当院では、くりぬき法で粉瘤を袋ごと摘出し、術後は「なつい式湿潤療法」にて創部を管理いたしました。

  • 消毒は一切しておりません

  • 術後感染はありませんでした

  • 抗生物質は処方しておりません

  • 手術翌日からシャワー・入浴もOKです

治療後の経過は順調で、傷は綺麗に治癒いたしました。

術前

術前

術中

術中

術直後

術直後

術後1日

術後1日

術後4日

術後4日

術後7日

術後7日

術後17日

術後17日

🔍 この症例から学べること

  • 炎症があっても粉瘤の手術は可能です

  • 抗生物質では治りません。むしろ害になる可能性もあります

  • くりぬき法+湿潤療法で安全・確実に治療できます

  • 「とりあえず様子を見ましょう」は正しいとは限りません


炎症した粉瘤でお困りの方へ。
誤った治療で時間を無駄にすることなく、早期の適切な処置をぜひご検討ください。
当院では、患者さん一人ひとりにとって最良の治療を常に心がけております。

どうぞお気軽にご相談ください。

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