🔥熱傷(やけど)で顔や首を負った1歳の女の子
|消毒なし・痛みなしの湿潤療法で治療しました
こんにちは。
大阪市淀川区・新大阪にある
【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、スープによる熱傷を負った1歳の女の子が、
消毒も抗生物質も使わずに、痛みなく治癒した症例をご紹介します。
◆患者さんについて
患者さんは、とても可愛い1歳の女の子です。
お父さまが作られていた熱々のスープをひっくり返してしまい、
顎から首、胸にかけて熱傷を負われました。
◆初期の治療とご家族の判断
受傷直後は、地元の〇〇病院の救急外来を受診され、
そこで行われたのは消毒とガーゼによる処置でした。
翌日、さらに〇〇皮膚科を受診されたものの、
やはり同様に「消毒+ガーゼ」の古典的な方法だったそうです。
ご両親は、処置に対して強い不安を感じ、
「もっと痛みの少ない治療法はないのか?」とご自身で調べた結果、
当院の「なつい式湿潤療法」に辿り着かれました。
◆当院での治療内容
当院では、ハイドロコロイドを使用した湿潤療法を実施しました。
この治療では、
- 消毒は一切行わず
- 抗生物質も処方せず
- 痛みを最小限に抑えた処置を行います。
感染の兆候も見られなかったため、
抗生物質の内服は必要ありませんでした。
また、毎日のシャワー・入浴も可能で、
お子さまも処置のたびに泣くことなく、落ち着いて通院されました。
◆経過と結果
ご両親の素早い判断と適切な処置により、
傷跡もほとんど残ることなく、非常に綺麗に治癒しました。
💬よくあるご質問(FAQ)
Q1. なぜ消毒をしなくても大丈夫なのですか?
→ 傷口を乾かさずに保湿することで、皮膚の再生が促され、
バリア機能が保たれます。
消毒は、むしろ正常な細胞を傷つけて治癒を遅らせるリスクがあります。
Q2. 小さな子どもでも湿潤療法は安全ですか?
→ はい、安全です。むしろ、
「痛みが少ない」ことは小児にとって非常に重要で、
治療に対するトラウマも防げます。
Q3. 入浴してもいいんですか?
→ 湿潤療法では基本的に毎日のシャワー・入浴が可能です。
ただし、貼付材の管理や入浴後のケアは医師の指示に従ってください。
Q4. 他院で「植皮が必要」と言われたのですが…?
→ 当院では、できる限り植皮を回避し、なつい式湿潤療法
を行っています。まずはお気軽にご相談ください。
🏥 院長からのメッセージ
小さなお子さんのやけどは、ご家族にとって非常に大きな不安を伴います。
「治療そのものが痛みの原因」になってしまってはいけません。
今回の症例のように、なつい式湿潤療法を適切に用いれば、
消毒も抗生物質も不要で、傷跡を最小限に抑えた治療が可能です。
もし、今お子さまの熱傷でお悩みであれば、どうぞ一度ご相談ください。

初診時

加療後5日