大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、バイク事故によって挫創(ざそう)を負われた20代の患者さんに対して、「なつい式湿潤療法」で縫わずにきれいに治癒した症例をご紹介いたします。
◆患者さんについて
患者さんは20代の男性です。
バイクで転倒し、皮膚に裂けるような傷(=挫創)を受傷されました。
インターネットで「湿潤療法」に関心を持たれ、“なつい式湿潤療法”を希望して当院を受診されました。
◆治療方針のご提案
診察のうえ、以下の2つの治療選択肢について、それぞれのメリット・デメリットを丁寧にご説明いたしました。
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①局所麻酔をして縫合する方法
▶ 傷の寄りがよくなるが、痛みや抜糸の必要がある -
②ハイドロコロイドを用いて、傷を寄せて貼る方法
▶ 縫わずに済み、痛みが少ないが、やや時間がかかることもある
患者さんは「痛いのは苦手なので、ハイドロコロイドでお願いします」と希望されました。
そのため、**ハイドロコロイド素材を用いて創部を寄せるように貼付し、湿潤環境を保つ治療(なつい式湿潤療法)**を行いました。
◆治療経過と長期結果
治療後は感染を起こすこともなく、通院中も特に問題なく経過しました。
縫合をせず、ハイドロコロイドのみで治療したとは思えないほど、綺麗に治癒されました。
その1年後、別の疾患で当院を再受診された際に創部の状態を確認し、写真撮影のご協力をいただきました。
ご本人からも「全く気になりません」とのお言葉を頂き、術後の長期的な経過も非常に良好でした。
ご協力いただき誠にありがとうございました。

初診時

加療後5日

加療後1年