🔥熱傷(やけど)で手に水ぶくれができた1歳男児
|湿潤療法で1週間で治癒、植皮せず後遺障害もなし!
こんにちは。
大阪市淀川区・新大阪にある
【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、ストーブによる手の熱傷(やけど)を負った1歳の男の子が、
なつい式湿潤療法のみで痛みなく短期間で治癒し、
植皮もせず、手の動きにまったく障害が残らなかった症例をご紹介します。
🧒患者さんについて
患者さんは、1歳の男の子。
冬場に室内で使用していたストーブに左手を誤って接触し、
熱傷を受傷されました。
水ぶくれ(水疱)が形成されており、
通常であれば「重症」と判断されやすい状態です。
🏥当院での処置と経過
受診時、すでに水疱が破れていたため、残っていた水泡膜を丁寧に除去し、
「なつい式湿潤療法」にて治療を開始しました。
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消毒は一切せず
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抗生物質も使用せず
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ハイドロコロイドなどの湿潤環境を保持できる材料で処置
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毎日のシャワー・入浴もOK
結果、1週間で皮膚はきれいに再生し、痛みも最小限で治癒。
拘縮(こうしゅく)や運動制限などの後遺症は一切ありませんでした。
⚠️他院での植皮例とその影響
一方で、以下の写真の別の男の子は、両手に熱湯を受けて熱傷を負ったため、
大学病院で即時の植皮術を受けられたそうです。
術後、皮膚自体は再建されていても、
手・手指の拘縮が強く残り、細かな作業が困難になったとのこと。
おそらく、絵を描いたりピアノを弾いたりすることも、
非常に難しいと思われます。
非常に残念な結果です。
🗣院長からの強いメッセージ
「植皮が必要です」
そう言われた患者さんやご家族は、
ぜひ一度、「なつい式湿潤療法」を取り入れている医療機関を受診してください。
私の経験上、植皮でなければ治らない小児熱傷は、ほとんど存在しません。
焦って手術を選択する必要はないのです。
なぜなら:
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植皮術後の傷跡は一生残ります
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小さな子どもにとって、痛みや不自由さは大きな精神的負担になります
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適切な湿潤療法ならば、植皮を避けつつ、自然な皮膚再生が可能です
💬よくあるご質問(FAQ)
Q. 水泡が破れたやけども、湿潤療法で治せますか?
→ はい。創面を乾かさずに保湿し続けることで、皮膚がきれいに再生されます。
Q. 小児の手のやけどは、放っておくと動かなくなりませんか?
→ なつい式湿潤療法で早期に治療すれば、拘縮を防ぎ、関節の動きも保たれます。
Q. 他院で「すぐに植皮を」と言われたのですが?
→ その前に、なつい式湿潤療法を行っているクリニックで
セカンドオピニオンを受けてください。選択肢は他にもあります。
Q. 消毒しなくても感染しないのですか?
→ 感染兆候がなければ、消毒は不要です。
逆に、消毒は正常な組織を傷つけてしまう恐れがあります。
🏥まとめ
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1歳男児の手の熱傷を湿潤療法で治療し、1週間で完治
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植皮も抗生物質も不要で、痛みもなく治癒
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一方、植皮術を選択した症例では、後遺障害が残る結果に
熱傷治療において「最小限の介入で最大の治癒を目指す」ことはとても重要です。
特にお子さまの将来のために、慎重な判断が求められます。
「植皮が必要」と言われたその前に。
まずは“消毒しない・痛くない”
なつい式湿潤療法という選択肢を思い出してください。
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