患者さんは、11歳 頭脳明晰で礼儀正しい男の子です。
学校で転倒され、溝に左膝をぶつけて受傷されました。
学校の保健室で消毒、ガーゼ処置を受けられてから、当院へ来院されました。
「湿潤療法」の説明をし、創傷被覆材で加療致しました。
保健室での消毒、ガーゼ処置はとても痛かったそうですが、当院での処置はほとんど痛くなかったそうです。
もちろん、当日からシャワーOKです。
1回も消毒しておりませんし、感染傾向は御座いませんでしたので、抗生剤の処方もしておりません。
患者さんにして頂く事は、毎日流水で洗って、創傷被覆材を貼って頂くだけです。
ここで「消毒」に関して、少し書かせて頂きます。
激痛を伴う「消毒」をする事によって、少しでも感染予防になったり、傷が綺麗に治ったり、早く治るのであれば、「消毒」をする意味が御座います。
しかし、「消毒」する事によって、皮膚を守ってくれている皮膚常在菌が死滅されますし、正常な皮膚も痛みます。
よって、「消毒」する事によって、感染しやすくなり、傷が深くなり、治るのが遅くなるのです。
「消毒」することは、痛みを伴う上に、良い事が全くないのです。
(私も「湿潤療法」に出会う4年前までは、良かれと思い、消毒の効果を信じ、何の疑いも無く、消毒、ガーゼ処置をしておりました。それまでの患者さんには、申し訳ない気持ちで一杯です。「湿潤療法」を教えて頂いた夏井睦先生には感謝感謝です。)
感染予防の為には、流水(お湯でもOK)で洗い流すことが一番です。
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