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抗生物質でも悪化した背中の炎症性粉瘤を「くりぬき法」で安全に摘出|消毒なし・湿潤療法で早期回復

術中

大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。

今回は、抗生物質を内服しても改善せず悪化した炎症性粉瘤(アテローム)に対し、「くりぬき法」による手術で安全に治療した症例をご紹介します。


◆患者さんについて

患者さんは30代の方です。
20年ほど前から背中に粉瘤があり、1か月前から痛みが強くなってきたため、近隣の〇〇皮膚科を受診されました。

そこで医師からは、

「炎症が強いので、今は手術できません。まずは抗生物質を2週間服用してください」

と言われたそうです。


◆抗生物質を内服 → 痛みが悪化

指示通り抗生物質を2週間内服されたものの、痛みは悪化する一方だったとのことです。

そこで、「炎症があっても手術できるクリニック」を探され、当院のブログを読まれた上で、ご受診されました。


◆ブログを見てご自身で抗生物質を中止

当院のブログでは、「炎症性粉瘤に抗生物質は効かない」という理由を詳しく解説しています。
それを読まれた患者さんは、ご自身で抗生物質の内服を中止されました。


◆なぜ抗生物質が効かないのか?

粉瘤の炎症は、「袋(=被膜)」の中で起きています。
粉瘤の袋には血管が通っていないため、抗生物質の有効成分が届きません。

そのため、どれだけ強い抗生物質を内服しても、炎症を抑える効果はほとんどありません。

まれに「抗生物質を飲んだら袋が破裂した」と話される方もいますが、これは抗生物質の効果ではなく、偶然のタイミングです。
炎症性粉瘤は、放置すれば10日以内に自然に破裂することが多いのです。


◆「炎症があっても手術できます」

当院では、炎症が強くても「くりぬき法」による日帰り手術が可能です。
今回の症例も、痛みが強く炎症が進んでいましたが、問題なく手術を実施できました。


◆術後の管理と経過

  • 創部はなつい式湿潤療法で管理しています

  • 一度も消毒はしておりません

  • 術後、感染の兆候はなかったため、抗生物質も処方していません

  • 手術当日からシャワー可能、入浴も毎日OKです


◆まとめ|炎症性粉瘤は「くりぬき法」での早期摘出が有効です

「炎症があるから手術はできない」「抗生物質で様子を見ましょう」と言われている方へ——
それでは根本的な治療にはなりません。

炎症性粉瘤でも、正しい知識と技術があれば安全に摘出が可能です。
当院では、炎症の有無に関わらず、くりぬき法による安全・確実な治療を行っております。

 

術前

術前

術中

術中

術直後

術直後

摘出された粉瘤の袋と内容物

摘出された粉瘤の袋と内容物

術後1日

術後1日

術後4日

術後4日

術後11日

術後11日

術後3か月

術後3か月

 

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