こんにちは。新大阪・淀川区にある
【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
小さなお子様がご家庭内で顔にけがをしてしまった場合、
「傷跡が残らないか不安」
「できるだけ痛みの少ない方法で治したい」
とお考えのご両親は多いのではないでしょうか。
今回は、机の角でまぶたを打撲し、裂傷(挫創)を負った5歳のお子様が、
当院でなつい式湿潤療法によって綺麗に治癒した実例をご紹介いたします。
◆ 患者さんについて
患者さんは5歳のお子様です。
ご自宅で転倒し、机の角にまぶたを強くぶつけて裂傷を負いました。
◆ 初期対応と当院を受診された経緯
受傷されたのは夜間であったため、まず近隣の救急病院を受診されました。
その際には、消毒による処置が行われたとのことです。
その後、インターネットで「傷跡を残さず治したい方法」を調べられ、
当院が行っているなつい式湿潤療法を知り、ご来院くださいました。
◆ 当院での治療内容
当院では以下のような治療を行いました:
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ハイドロコロイド被覆材(絆創膏のような素材)を使用
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裂けたまぶたの皮膚を寄せるように丁寧に貼付
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一切消毒は行っておりません(消毒は治癒を妨げ、痛みの原因にもなります)
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感染症の兆候はなく、抗生物質の投与は不要と判断
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治療期間中も、シャワー・入浴は毎日OKでした
治癒経過は良好で、傷跡はほとんど分からないレベルにまで回復しました。
◆ なつい式湿潤療法とは?
従来の「ガーゼ・消毒」を中心とした処置は、
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傷が乾いてかさぶたになる
-
強い痛みを伴う
-
傷跡が残りやすい
といった問題がありました。
なつい式湿潤療法では、
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傷を乾かさず、湿った環境で皮膚の自然再生力を最大限に引き出す
-
消毒をしないことで痛みを軽減し、組織を傷つけない
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創傷被覆材(ハイドロコロイドなど)を用いて、清潔な環境を保つ
ことで、より早く・綺麗に・痛みなく治療することが可能です。
◆ まとめ
今回のように、顔やまぶたといったデリケートな部位のけがでも、
正しい「なつい式湿潤療法」を行えば、消毒も抗生物質も使わずに、
傷跡を最小限に抑えて治癒させることができます。
「お子様の傷をきれいに治したい」
「できるだけ痛みの少ない方法で治療したい」
とお考えの保護者の皆様は、ぜひ一度当院へご相談ください。

初診時

加療後3日

加療後11日
🌿 なつい式湿潤療法に関するよくあるご質問【FAQ】
Q1. なつい式湿潤療法とは何ですか?
A. 湿潤療法とは、傷を乾かさずに
「湿った環境を保つことで自然治癒力を最大限に助ける治療法」です。
消毒液やガーゼを使用せず、創傷を適度な湿度で保護することで痛みが少なく、
傷跡もきれいに治るのが特徴です。
当院では「なつい式湿潤療法」に基づいた方法で治療を行っています。
Q2. なぜ消毒をしないのですか?
A. 消毒液は細菌だけでなく、皮膚の治癒に必要な細胞まで殺してしまうため、
治りを遅くしたり、かえって傷跡を残しやすくなります。
なつい式湿潤療法では、
消毒はせず、皮膚が本来持っている再生能力を最大限助けて治します。
Q3. なつい式湿潤療法ではどんな処置をするのですか?
A. ハイドロコロイドやポリウレタンフィルムなどの
医療用の透明シールやパッドを使用し、傷を覆って湿潤環境を保ちます。
傷の種類に応じてワセリンを併用することもあります。
自宅では入浴・シャワーも基本的に可能です。
Q4. 痛みはありますか?
A. なつい式湿潤療法はガーゼ交換による「剥がすときの痛み」がありません。
また、傷の治癒も早いため、痛みが軽減されるケースが多いです。
痛み止めが不要なことも多く、お子様や高齢者にもやさしい治療法です。
Q5. 傷跡はきれいになりますか?
A. 傷の深さや場所によって個人差はありますが、
なつい式湿潤療法は乾燥させて治す方法に比べて、
傷跡が目立ちにくくなります。
特に顔など目立つ部位には適しています。
Q6. 毎日通院する必要はありますか?
A. 基本的には毎日通院する必要はありません。
ご自宅での処置方法(とっても簡単です)をご説明しますので、
セルフケアで管理が可能です。
ただし、傷の状態によっては数日に1度の通院が必要になることもあります。
Q7. 感染の心配はありませんか?
A. 適切に湿潤環境が保たれていれば、むしろ感染リスクは低くなります。
ただし、異常な痛みや腫れ・熱感・発赤などが出た場合は
すぐに受診してください。
Q8. 子どもにも適応できますか?
A. はい、なつい式湿潤療法は小さなお子様にも非常に適しています。
傷の痛みが少なく、ガーゼを無理に剥がす必要もないため、
治療のストレスが少なくなります。
当院では数多くのお子様の傷の治療実績があります。
Q9. なつい式湿潤療法が受けられる病院は限られているのですか?
A. はい、なつい式湿潤療法を積極的に導入している医療機関
はまだ多くはありません。
当院では、院長が豊富な症例経験に基づき、
すべての傷に対して湿潤療法を基本とした治療を行っています。
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