大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、約20年にわたり後頚部(くびのうしろ)の粉瘤(アテローム)に悩まされていた40代の患者さんに対して、くりぬき法による手術で根治した症例をご紹介します。
◆患者さんについて|20年悩まされた後頚部の粉瘤
患者さんは40代の方です。
20代の頃から首の後ろにしこり(粉瘤)があり、これまでに近隣の皮膚科で数回、針で突いて内容物を絞り出す処置を受けてきたとのことです。
その際、麻酔は使われず激しい痛みを伴ったにもかかわらず、根本的に治ることはなかったとお話し下さいました。
◆当院を受診された経緯
だんだんと粉瘤が大きくなり、再発も繰り返していたため、「根本的に治したい」と考え、インターネットで検索。
当院の症例ブログなどをご覧になり、くりぬき法による手術をご希望されて来院されました。
◆治療内容|くりぬき法で被膜ごと摘出し再発防止
当院では、くりぬき法(パンチエクセジョン)により、粉瘤の内容物だけでなく袋(被膜)ごと丁寧に摘出いたしました。
これにより、再発のリスクを大幅に減らすことが可能です。
◆術後管理|なつい式湿潤療法で感染ゼロ・快適な回復
手術後の創部は、なつい式湿潤療法で管理しました。
この治療法では、消毒は一切行っておらず、抗生物質も処方していません。
創部は感染することなく、術後すぐにシャワー・入浴が可能で、日常生活に支障なく快適に回復されました。
◆まとめ|長年放置された粉瘤も、くりぬき法で根治可能
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20年以上続いた粉瘤もくりぬき法で被膜ごと摘出し根治
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過去に行われた“針で絞るだけ”の処置では根本治療になりません
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湿潤療法で消毒・抗生物質なし、傷跡も最小限
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粉瘤でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください

術前

術中(粉瘤内容物を排出)

術中(粉瘤被膜を摘出)

術直後

術後1日

術後4日

術後12日

術後18日