こんにちは。
大阪市淀川区・新大阪にある
【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、カップラーメンによる熱傷を負った5歳の男の子が、
「消毒なし・痛みなし・植皮なし」で治癒した症例をご紹介します。
◆ 患者さんについて
患者さんは、5歳のとても可愛い男の子です。
おうちで熱々のカップラーメンを誤ってひっくり返してしまい、
太もも(大腿部)に熱傷を負われました。
◆ 初期治療とつらい通院
まずは地元の〇〇市立病院の救急外来を受診され、
ガーゼと消毒による従来型の処置が行われました。
その後、3日間にわたり同じ処置が毎日続き、
処置のたびに強い痛みがあり、お子さんは毎回泣いていたそうです。
◆ ママ友の助言で当院へ
そんな中、お母さまがママ友に相談したところ、
その方のお子さんが以前当院で
湿潤療法による治療を受けた経験があるとのことで、
当院を紹介され、来院されました。
◆ 当院での治療内容
当院では、ハイドロコロイド被覆材を用いた
「なつい式湿潤療法」にて治療を開始しました。
この治療では、
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消毒は一切行わず
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抗生物質も使用せず
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傷に触れず、痛みのない処置を継続します
もちろん、毎日のシャワー・入浴もOKです。
また、感染の兆候は見られなかったため、抗生物質も処方しておりません。
◆ 経過と結果
治療は順調に進み、傷跡をほとんど残すことなく綺麗に治癒しました。
何より、お子さまが処置のたびに泣かなくなったことを
お母さまがとても喜んでいらっしゃいました。

初診時

加療後4日

加療後17日
💬 よくあるご質問(FAQ)
Q1. 湿潤療法は子どもにも安全ですか?
→ はい、安全です。むしろ、痛みが少ないため、
お子さまにとってストレスの少ない治療方法です。
Q2. なぜ消毒をしないのですか?
→ 消毒は正常な皮膚細胞を傷つけ、治癒を遅らせてしまいます。
なつい式湿潤療法は皮膚の自己治癒力を最大限に活かします。
Q3. 入浴しても大丈夫?
→ はい、基本的にシャワーや入浴は可能です。
貼付材の管理方法については、医師の指示に従ってください。
🏥 院長からのメッセージ
熱傷(やけど)の治療は、痛みを伴う処置そのものがトラウマになる
ことがあります。
特に小さなお子さまにとって、
「泣かずに治せる」治療法の選択はとても大切です。
当院では、植皮を極力回避し、傷跡も最小限に抑える湿潤療法を実践しています。
「植皮が必要」と言われた場合でも、あきらめずにぜひ一度ご相談ください。
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