大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】
院長の郡田です。
今回は、約10年間、頚部(首)に粉瘤(アテローム)があった40代の患者さんに対して、
くりぬき法で安全に手術を行い、綺麗に治癒した症例をご紹介します。
◆患者さんについて
患者さんは40代の方です。
約10年前から首の後ろにしこり(粉瘤)を感じていたとのことですが、
次第に大きくなり、臭いがするようになってきたため、
手術目的で当院を受診されました。
◆手術内容|くりぬき法で被膜を完全摘出
当院では、粉瘤に対してくりぬき法(パンチエクセジョン)を行っています。
この患者さんも、局所麻酔下で袋(被膜)ごと粉瘤を完全に摘出
することができました。
切開範囲が小さいため、傷跡も目立ちにくく、術後の回復も早いのが特徴です。
◆術後管理|なつい式湿潤療法で消毒・抗生物質なし
手術後の創部は、なつい式湿潤療法で管理しております。
この方法では、消毒は一切行わず、抗生物質も使用しておりません。
感染も起こらず、術後は毎日シャワー・入浴が可能で、
すぐに普段通りの生活に戻れます。
◆まとめ|長年放置した粉瘤もくりぬき法で安全に除去
10年近く放置していた臭いのある頚部粉瘤も、くりぬき法で安全に摘出し、
綺麗に治癒しました。
術後は、湿潤療法により痛みが少なく、感染も予防できました。
同様のお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

術前

術中

術直後

術後1日

術後4日

術後11日

術後20日
🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 粉瘤とは何ですか?
A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。
Q2. 粉瘤は自然に治りますか?
A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。
再発予防には手術による摘出が必要です。
Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?
A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。
Q4. 抗生物質では治らないのですか?
A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です。
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。
よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。
Q5. 手術はどんな方法ですか?
A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で
袋(被膜)まで完全に取り除きます。
傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。
Q6. 術後の処置はどのように行いますか?
A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
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Q7. 術後に再発することはありますか?
A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。
Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?
A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。
Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?
A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。
炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。
Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?
A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。