大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】
院長の郡田です。
今回は、背中の粉瘤(アテローム)に対してくりぬき法で手術を行い、
3年後の経過観察でも傷跡がほとんど目立たなかった症例をご紹介します。
◆患者さんについて|背中の粉瘤で来院された30代男性
患者さんは30代の男性です。
背部(背中)に粉瘤ができたため、手術をご希望されて当院を受診されました。
◆治療内容|くりぬき法で袋ごと摘出
当院では、粉瘤に対してくりぬき法(パンチエクセジョン)
という手術法を用いています。
この方法では、粉瘤の袋(被膜)ごと丁寧に摘出することができ、
再発のリスクも軽減されます。
この患者さんも、くりぬき法により安全に摘出手術を行い、
切開範囲も最小限に抑えることができました。
◆術後管理|なつい式湿潤療法で痛みも少なくきれいに治癒
術後の創部は、なつい式湿潤療法で管理しております。
この方法では、消毒を一切行わず、抗生物質も使用しておりません。
感染も起こらず、術後は翌日からシャワー・入浴も可能で、
日常生活にすぐ復帰していただけました。
◆術後3年後の再来|きれいな治癒を確認
手術後しばらくは経過観察にいらっしゃいませんでしたが、
3年後、別の症状で当院を再度受診された際に、
手術部位を確認する機会がありました。
手術痕は非常にきれいで、
どこを切開したのか分からないほど目立たない状態でした。
写真撮影にもご協力いただき、ありがとうございました。
✅【まとめ|背中の粉瘤も小さな傷で安全に治療できます】
・背中にできた粉瘤に対して、くりぬき法で安全に手術
・被膜を完全に除去できるため、再発予防にも効果的
・なつい式湿潤療法により、消毒も抗生物質も不要
・3年経っても傷跡が目立たず、きれいに治癒

術前

術中(粉瘤内容物を排出)

術中(粉瘤被膜を摘出)

術直後

術後1日

術後3年
🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 粉瘤とは何ですか?
A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。
Q2. 粉瘤は自然に治りますか?
A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。
再発予防には手術による摘出が必要です。
Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?
A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。
Q4. 抗生物質では治らないのですか?
A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です。
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。
よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。
Q5. 手術はどんな方法ですか?
A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で
袋(被膜)まで完全に取り除きます。
傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。
Q6. 術後の処置はどのように行いますか?
A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
Q7. 術後に再発することはありますか?
A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。
Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?
A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。
Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?
A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。
炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。
Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?
A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。