患者さんは、9歳の可愛い可愛い女の子です。
学校で転倒し、顔をすりむかれました。
そこで、近医皮膚科を受診。
従来通りの治療法(ガーゼ、消毒、抗生剤処方)に疑問を持たれ、色々と調べて「湿潤療法」目的にて当院を受診して頂きました。
まず、感染源になりますので、かさぶたを切除いたしました。そして、ハイドロコロイドで治療致しました。
また、感染状態(発赤、腫脹、疼痛、熱感が有る状態)ではございませんでしたので、抗生剤の内服は中止致しました。
怪我(熱傷)をした
↓
感染予防目的にて消毒、抗生剤処方
という医療機関は残念ながら、未だに非常に多いです。
実際、私も「湿潤療法」に出会う4年前までは、良かれと思いそうしておりました。
しかし、「湿潤療法」に出会い、抗生剤を処方することが感染予防にならないどころか、逆に厄介な菌(MRSA等)が繁殖しやすい環境を人為的に作り出しているという事が分かりました。
よって、感染状態ではない時に、感染予防目的にて抗生剤を処方することは、慎まなければならないと考えております。
また、消毒も傷を深くするだけであって、逆に創部が治りにくくなる一つの要因になりますので、当院では傷に対して一切消毒は致しません。(傷に消毒致しますと、痛い上に傷を深くするという最悪の結果になります。)
(ちなみに、粉瘤の術前、術中、術後も一切消毒は致しません。)