縫わずに治った10代の切創|テープ固定で綺麗に治癒した一例
こんにちは。
大阪市淀川区・新大阪にある
【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、旅行先でケガをされた10代の女性が、
縫わずにテープ固定で綺麗に治った症例をご紹介いたします。
👩🦰 患者さんについて
患者さんは10代の女性。
ご家族との旅行中に、何かにぶつかって切創(きりきず)を受傷されました。
🏥 旅行先の病院では「縫合を勧められた」
受傷後、すぐに旅行先の大きな病院を受診。
診察の結果、「縫合(ほうごう=糸で縫う処置)」を勧められました。
しかし、ご本人とご家族の“なるべく縫いたくない”という強いご希望があり、
その病院ではテープ固定のみで対応されました。
🔁 大阪に戻られて当院を受診
翌日、大阪に戻られたご家族がインターネットで当院を見つけられ、
受診してくださいました。
拝見したところ、テープ固定によって皮膚のズレはほぼ解消されており、
皮膚同士が十分に寄っている状態でした。
そのため、追加で縫合は行わず、テープ固定で加療を継続しました。
✅ 結果:縫わずに綺麗に治癒
その後も経過は良好で、縫合をせずとも傷は綺麗に治癒しました。
✋ すべての切創が「縫わずに済む」わけではありません
今回のように、皮膚の断裂が小さく、かつしっかりと寄せられる場合は、
テープ固定のみでも十分に綺麗に治ることがあります。
ただし、以下の場合は縫合が必要になることもあります。
・皮膚の断裂が大きい
・傷口の辺縁がめくれていたり、離開が強い
・テープで寄せても皮膚同士が密着しない
・出血が止まりにくい など
また、縫合をする際には局所麻酔が必要です。
このため、麻酔に耐えられない小さなお子さんの場合は、
できる限りテープ固定で対応したほうが、精神的・身体的な負担が少ない
と考えています。
📝 まとめ:縫うか縫わないかの判断は「傷の状態」と「本人の年齢・希望」で決まります
・今回のように適切なテープ固定が早期に行われれば、縫わなくても綺麗に治るケースは多くあります。
・ただし、すべての切創が非縫合で良いというわけではなく、医師の判断が重要です。
・お子さまの精神的負担も含めて、最も負担の少ない方法を一緒に考えることが大切です。

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