大阪市淀川区・新大阪駅近くにある
【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、右こめかみにできた粉瘤(アテローム)を「くりぬき法」で摘出し、
術後も感染なく良好な経過をたどった症例をご紹介します。
◆ 患者さんについて
患者さんは40代の男性です。
数年前から右こめかみに粉瘤があることに気づいておられましたが、
痛みなどの症状はなかったとのことです。
「この際きちんと手術して取り除きたい」と思い、
近隣の○○形成外科を受診されましたが、
「手術はできない」と言われたそうです(理由は不明とのこと)。
その後、ご自身で色々と調べられ、当院を受診されました。
◆ 手術内容:くりぬき法での摘出
当院では「くりぬき法」にて、粉瘤の内容物と被膜(袋)をしっかりと
摘出しました。
この方法は傷跡が目立ちにくく、再発のリスクも低いのが特長です。
◆ 術後の処置について
術後は「なつい式湿潤療法」による傷の管理を行いました。
・消毒は一切行いません
・毎日、シャワー・入浴は可能です
・感染の兆候がなかったため、抗生物質は処方しておりません
術後も経過は非常に良好で、痛みや腫れもなく、感染せず治癒が進みました。
◆ まとめ
・くりぬき法は粉瘤の再発を防ぎながら、傷跡を目立たせにくい方法です
・湿潤療法によって、消毒や抗生物質に頼らず、
清潔な治癒環境を作ることができます
「他院で手術を断られた」「炎症があっても大丈夫か不安」という方も、
まずは一度ご相談ください。
🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 粉瘤とは何ですか?
A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。
Q2. 粉瘤は自然に治りますか?
A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。
再発予防には手術による摘出が必要です。
Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?
A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。
Q4. 抗生物質では治らないのですか?
A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です。
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。
よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。
Q5. 手術はどんな方法ですか?
A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、
できるだけ小さい傷で袋(被膜)まで完全に取り除きます。
傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。
Q6. 術後の処置はどのように行いますか?
A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
▶ なつい式湿潤療法ブログ一覧を見る
Q7. 術後に再発することはありますか?
A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。
Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?
A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。
Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?
A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。
炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。
Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?
A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。