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耳の下に15年間あった粉瘤を「くりぬき法」で手術|抗生物質では治りません

術中(粉瘤被膜を摘出)

大阪市淀川区・新大阪にある【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。

今回は、15年以上前から右耳の下にあった粉瘤(アテローム)に対して、「くりぬき法」による手術を行った症例をご紹介します。


◆患者さんについて

患者さんは50代の方です。
15年前より、右耳の下に粉瘤(アテローム)があり、最近になって急に大きくなってきたため、地元で「粉瘤に詳しい」と評判の〇〇クリニックを受診されたそうです。


◆「抗生物質で小さくしてから手術を」→悪化

診察した医師からは、

「粉瘤が大きいので、まずは**抗生物質を内服し、小さくなってから手術を考えましょう。」

と言われたそうです。

そこで抗生物質を内服されたとのことですが、全く小さくならず、むしろ大きくなってきたために、不安を感じ、いろいろ調べられて遠方から当院を受診されました。


◆粉瘤に抗生物質は効かない理由

粉瘤の正体は「皮膚の下に袋状の構造(=被膜)ができ、そこに角質や皮脂が溜まったもの」です。
この袋そのものを取り除かない限り、抗生物質で治ることはありません。

つまり、粉瘤に抗生物質は基本的に無効です。
当院では、初めから「くりぬき法」による摘出手術をご提案しました。


◆手術内容と術後の管理

粉瘤は比較的大きいものでしたが、当院独自の「くりぬき法」にて短時間で安全に摘出しました。

術後の創部は、「なつい式湿潤療法」で治療しております。

  • 一切消毒は行っておりません

  • 感染の兆候がなかったため、抗生物質の処方も不要

  • 手術当日からシャワー・入浴OK

  • 翌日からは創部にシャワーを直接当てて洗い流していただきます

患者さんも、痛みがほとんどなく、快適な術後経過をたどっておられます。


◆まとめ|「粉瘤に抗生物質」は根本解決にはなりません

「粉瘤が大きいから抗生物質で小さくしてから手術しましょう」と言われた場合でも、それで改善することはほとんどありません。

当院では、粉瘤に対しては「くりぬき法」による完全摘出を基本方針としており、
術後はなつい式湿潤療法で快適かつ迅速な回復を目指します。

耳の下の粉瘤、顔の粉瘤、首の粉瘤など、目立つ場所でも最小限の傷跡で対応可能です。
お悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。

術前

術前

術中(粉瘤内容物を排出)

術中(粉瘤内容物を排出)

術中(粉瘤被膜を摘出)

術中(粉瘤被膜を摘出)

術直後

術直後

摘出された粉瘤(右 内容物・左 被膜)

摘出された粉瘤(右 内容物・左 被膜)

術後1日

術後1日

術後5日

術後5日

術後11日

術後11日

術後18日

術後18日

 

令和2年、初めてのブログで御座います。

本年も地味に継続させて頂きたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。

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