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粉瘤(耳)抗生物質では治らず悪化…炎症があっても手術で完治した症例紹介(術後2年半写真有)

術中

耳の前の粉瘤に抗生物質は無効でした|炎症があっても「くりぬき法」で治療し、
2年半後も綺麗に治癒

今回は、抗生物質では治らなかった耳前部の粉瘤を、当院でくりぬき法にて手術・湿潤療法で管理し、
2年半後も非常にきれいに治癒された症例
をご紹介いたします。


🔹耳の前にできた粉瘤(アテローム)に抗生物質が処方されていた症例

患者さんは30代の方です。
耳の前にできた粉瘤(アテローム)が徐々に大きくなってきたため、
地元の〇〇形成外科クリニックを受診されました。
そこで医師からは、

「抗生物質を内服すれば治ります。」

と説明を受け、抗生物質が処方されたそうです。


🔹抗生物質を1週間飲んでも、どんどん悪化…

処方された抗生物質を1週間きちんと服用されたものの、粉瘤は全く改善せず、
どんどん腫れが大きくなり、痛みも増してきたとのことでした。
そこで患者さんは、「炎症があっても手術してくれる医療機関」を
インターネットで探され、県外から当院へご来院くださいました。


🔹粉瘤に抗生物質は効きません(医学的根拠)

現在でも、多くの医療機関で粉瘤に対して抗生物質が処方されていますが、
粉瘤には抗生物質は効きません。

その理由は以下の通りです:
・粉瘤の袋の内部(嚢腫内)には血管が通っていないため、抗生物質の効果は届きません。
・抗生物質は、身体を守ってくれている常在菌までも殺してしまうため、防御力を下げてしまいます。

つまり、抗生物質は無効どころか、有害な場合もあると当院では考えております。


🔹炎症が強くても手術可能です

「炎症があると手術できない」と思われる方が多いですが、
炎症が強くても粉瘤の手術は問題なく行えます
ただし、破裂直後は袋がバラバラになってしまっていることが多いため、その場合は少し手術操作が難しくなります。


🔹当院での治療:くりぬき法+なつい式湿潤療法

この患者さんには、当院にて以下の治療を行いました:
・くりぬき法による粉瘤摘出術
なつい式湿潤療法による術後処置
手術後は、一度も消毒を行わず、抗生物質も処方しておりません。
それでも感染は全く起こらず、術後すぐからシャワー・入浴もOKです。


🔹2年半後、再受診時に創部を確認しました

手術から約2年半後、別件で当院を再受診された際に、創部の状態を確認する機会をいただきました。
写真を撮らせていただきましたが、傷跡は非常にきれいに治っており、手術をした痕が分からないほどでした。
患者さんからも、

「とてもきれいに治っています。」

とお喜びの声をいただき、私たちも大変うれしく思いました。
写真撮影へのご協力、心より感謝申し上げます。


✅ まとめ|粉瘤は手術が根本治療です

・粉瘤に抗生物質は無効かつ有害なこともある
・炎症があっても手術可能で、くりぬき法によりしっかり治療できます
・湿潤療法により術後も感染なし・消毒不要・きれいに治癒
・当院では、粉瘤治療において抗生物質は一切使用しておりません


粉瘤でお困りの方、他院で「抗生物質で様子を見ましょう」と言われた方も、
正しい治療法を受けたい方は、ぜひ当院へご相談ください。

術直後

術直後

術後1日

術後1日

術後3日

術後3日

術後15日

術後15日

術後2年半

術後2年半

🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)


Q1. 粉瘤とは何ですか?

A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。


Q2. 粉瘤は自然に治りますか?

A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。

再発予防には手術による摘出が必要です。


Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?

A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。


Q4. 抗生物質では治らないのですか?

A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。

よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。


Q5. 手術はどんな方法ですか?

A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で
袋(被膜)まで完全に取り除きます。

傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。


Q6. 術後の処置はどのように行いますか?

A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
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Q7. 術後に再発することはありますか?

A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。


Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?

A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。


Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?

A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。

炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。


Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?

A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。

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