■ 首の粉瘤(アテローム)を「くりぬき法」で手術|6年後も傷あとが綺麗でした【症例写真あり】
患者さんは30代の方です。
首(頚部)にできた粉瘤(アテローム)の手術を希望し、まず近隣の病院を受診されました。
ところが、「手術をしてもまた再発するかもしれないから、様子を見ましょう」と言われ、不安を感じたとのことです。
その後、ご自身でインターネットで様々な情報を調べられ、県外から当院を受診されました。
初診の際、「藁をもすがる思いで来ました」とおっしゃっていたのが印象的でした。
■ 粉瘤の「くりぬき法」で手術を実施|術後はなつい式湿潤療法でケア
手術はくりぬき法(穿刺摘出法)で行いました。
術後の創部は、なつい式湿潤療法にて治療を行ったため、一度も消毒は行っておりません。
抗生剤の使用も必要なく、シャワーや入浴も毎日可能でした。
■ 6年後、別の部位に再発|首の傷跡を見て感動の声
手術から6年後、別の場所に新たな粉瘤ができたため、再び当院を受診されました。
その際、以前手術した頚部の状態を確認し、写真を撮らせていただきました。
患者さんからは、
「先生、めっちゃ綺麗ですよ!びっくりしました!」
というお言葉をいただきました。
長年にわたって患者さんの信頼を得られていることを、とても嬉しく思います。
ありがとうございました。

術前

術中(粉瘤内容物を排出)

術中(粉瘤皮膜を摘出)

術直後

摘出された粉瘤

術後1日

術後4日

術後14日

術後24日

術後6年
粉瘤の手術後、傷あとが心配な方へ
当院では、くりぬき法+なつい式湿潤療法によって、
できるだけ傷あとが残らない粉瘤手術を心がけています。
遠方からの受診も可能ですので、首や体にできた粉瘤でお困りの方は、
お気軽にご相談ください。
🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 粉瘤とは何ですか?
A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。
Q2. 粉瘤は自然に治りますか?
A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、再発することが多いです。
再発予防には手術による摘出が必要です。
Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?
A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。
Q4. 抗生物質では治らないのですか?
A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です。
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、薬が届かないからです。
よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。
Q5. 手術はどんな方法ですか?
A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で袋(被膜)まで完全に取り除きます。
傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。
Q6. 術後の処置はどのように行いますか?
A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
-
消毒しません
-
ガーゼ交換不要
-
シャワー・入浴も翌日からOK
-
抗生物質も基本的に処方しません
Q7. 術後に再発することはありますか?
A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。
Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?
A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。
Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?
A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、手術時間や回復も短く済みます。
炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。
Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?
A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。