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粉瘤(腹部・炎症性)に抗生物質は無効|くりぬき法で手術した術後9年

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術後9年、傷跡がほぼ分からない状態を示すサムネイル画像

大阪市淀川区・新大阪にある
こおりた ひろ整形形成外科クリニック院長の郡田です。

今回は、腹部にできた炎症性粉瘤に対して、
抗生物質では改善せず、くりぬき法で手術を行い、
術後9年まで良好な経過を確認できた症例をご紹介します。


患者さんについて

40代女性の患者さんです。
約10年前から腹部に粉瘤があることを自覚されていましたが、
最近になって赤く腫れ、強い痛みを伴うようになったため、近医を受診されました。

その医療機関では、

「炎症が強いと手術はできません。
 まずは抗生物質で炎症を引かせましょう」

と言われ、抗生物質が処方されました。


抗生物質を飲んでも、炎症は悪化

しかし、抗生物質を内服しても炎症は改善せず、
むしろ日ごとに腫れと痛みが強くなり、
眠れないほどの強い痛みが出てきました。

そこで患者さんは、
炎症が強くても手術をしてもらえる医療機関」をインターネットで探され、
他県より当院を受診されました。


炎症性粉瘤に対して、抗生物質は無効です

炎症性粉瘤に対して、抗生物質は無効です。

これは、これまで当院のブログでも何度もお伝えしてきたことですが、
粉瘤の炎症は「袋(被膜)の中」で起こっています。

その袋の中には血管が通っていません。
つまり、いくら強い抗生物質を内服しても、
薬の成分は袋の中には届かないのです。

これは、
「痛み止めを飲んでも、履いているズボンの痛みが取れない」
のと同じ理屈です。


抗生物質による健康被害

抗生物質は、体内の細菌を広く殺します。
しかし、私たちの体には、健康を保つために必要な常在菌が多数存在します。

抗生物質を内服することで、
こうした必要な細菌まで殺されてしまい、
下痢などの健康被害が起こります。

もし仮に、炎症性粉瘤に対して抗生物質が有効であれば、
多少の副作用を考慮した上で使用する意味はあるでしょう。

しかし、炎症性粉瘤に対して抗生物質は効果がありません。

つまり、

  • 病気は良くならない

  • 体を守っている常在菌だけが殺される

という結果になります。

炎症性粉瘤に対して抗生物質を使用する明確な利点は乏しく、
むしろ不要な副作用や健康被害を招く可能性が高いです。

そのため、当院では
炎症性粉瘤に対して抗生物質を処方することはしておりません。


炎症が強くても、手術は可能です

「炎症が強いと手術はできない」
「くりぬき法なんてもってのほか」

そのように考える医療機関が大半です。

しかし、炎症が強い状態であっても、手術は全く問題なく可能です。

本症例でも、炎症が強い状態でしたが、
くりぬき法により、問題なく粉瘤を摘出することができました。


術前から術後9年までの経過

以下に、術前から術後9年までの写真を提示します。

腹部にできた炎症性粉瘤の術前写真。赤く腫れ、強い痛みを伴っていた状態

腹部の炎症性粉瘤。発赤と腫脹が強く、強い痛みを伴っていた術前の状態です。

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術中、粉瘤内容物が排出している術中写真

腹部炎症性粉瘤の術中写真。くりぬき法により、粉瘤内容物が排出している状態です。

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術中、袋(被膜)を摘出している術中写真

腹部炎症性粉瘤の術中写真。くりぬき法により、粉瘤の袋(被膜)を摘出しているところです。

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術直後、ほぼ出血を認めない創部の写真

腹部炎症性粉瘤の術直後の状態。くりぬき法後、ほとんど出血を認めません。

腹部の炎症性粉瘤から摘出された粉瘤の袋(被膜)の写真

くりぬき法により摘出された、腹部炎症性粉瘤の袋(被膜)です。

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術後1日目、出血や痛みをほぼ認めない創部の写真

腹部炎症性粉瘤の術後1日目。出血や痛みはほとんど認められません。

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術後5日目、血はにじむ程度で痛みを認めない創部の写真

腹部炎症性粉瘤の術後5日目。出血はにじむ程度で、痛みは全く認めませんでした。

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術後12日目、出血や痛みを全く認めない創部の写真

腹部炎症性粉瘤の術後12日目。出血・痛みともに全く認めません。

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術後25日目、ほぼ治癒し症状を認めない創部の写真

腹部炎症性粉瘤の術後25日目。ほぼ治癒しており、症状は全く認められません。

腹部の炎症性粉瘤をくりぬき法で手術後9年、傷跡がほぼ分からない状態の写真

腹部炎症性粉瘤の術後9年の状態。傷跡はほとんど分からなくなっています。

術後9年が経過した現在、
傷跡はほとんど分からない状態となっており、
再発も認めていません。


9年後、再び当院を受診してくださいました

術後9年後、患者さんは別の部位に炎症性粉瘤ができたため、
再び当院を受診してくださいました。

「よく当院のことを覚えていてくださいましたね」とお声がけすると、

「当たり前じゃないですか。
 あれだけ綺麗に治していただいたんですから。」

と、嬉しいお言葉をいただきました。


炎症性粉瘤でお悩みの方へ

炎症性粉瘤でお困りの患者さんは、
抗生物質を処方する医療機関ではなく、
きちんと手術を行い、根治してくれる医療機関を受診されることをお勧めします。

🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)


Q1. 粉瘤とは何ですか?

A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。


Q2. 粉瘤は自然に治りますか?

A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。

再発予防には手術による摘出が必要です。


Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?

A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。


Q4. 抗生物質では治らないのですか?

A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。

よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。


Q5. 手術はどんな方法ですか?

A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で
袋(被膜)まで完全に取り除きます。

傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。


Q6. 術後の処置はどのように行いますか?

A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
▶ なつい式湿潤療法ブログ一覧を見る


Q7. 術後に再発することはありますか?

A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。


Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?

A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。


Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?

A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。

炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。


Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?

A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。

▶ 粉瘤ブログ一覧を見る


当院の治療理念:なつい式湿潤療法

なつい式湿潤療法」は、日本の形成外科医であり、
湿潤療法の第一人者として高く評価されている
夏井睦先生 によって確立された治療法です。
この治療法は、消毒やガーゼを使用せず、創部を湿潤環境に保つことで、
痛みを最小限に抑え、治癒を促進します。
当院では、夏井先生の効果的な治療理念に基づいた創傷管理を実践しています。
夏井睦先生公式サイト「新しい創傷治療」


※当院のブログは、すべて院長が自ら執筆しております。
SEO対策業者の皆様から数多くご連絡を頂きますが、
今後も自院の実際の症例に基づき、

院長が責任をもって情報発信を続けてまいります。
どうぞご理解いただきますようお願い申し上げます。


🖊️ 執筆者情報

執筆者:郡田 大宇 医師
こおりたひろ整形形成外科クリニック 院長)
専門分野:整形外科・形成外科・熱傷・粉瘤手術
経験・実績:粉瘤手術を中心に累計6,000件(年間約500件)以上の手術実績。
粉瘤、ケガ、やけどなど、くりぬき法なつい式湿潤療法による症例を
ブログに1,000例以上掲載しています。

すべての症例は院長自身が診察・手術・経過観察を行っています。
院長プロフィールを見る

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