患者さんは、60代です。
数年前より、後頚部に粉瘤(アテローム)が有ったそうです。
数日前より炎症(痛み、腫れ)が強くなってきたために、地元の〇〇皮膚科クリニックを受診されました。そこの医師から
「今は炎症が強いから何も出来ません。とりあえず抗生物質を内服して、様子を見ましょう。手術希望でしたら、自分で手術してもらえるところを探してください。」と言われたそうです。
抗生物質を内服しても、炎症が引くどころか、余計に痛くなってきたために、ネットで炎症が強くても粉瘤(アテローム)の手術をして貰える医療機関を探され、当院のH.P.にたどり着き、他県より当院を受診されました。
炎症が強くとも、抗生物質は効果が御座いません。
粉瘤の治療法は、手術しか御座いません。
いつも、患者さんに申し上げておりますのは、手術をして治すか、手術をせずに様子をみるのか、どちらかしかないという事です。
薬(抗生物質等)を飲んでも、薬(アクアチムローション等)を塗っても、治ることは御座いません。
抗生物質を内服して腫れが引きましたという患者さんが、たまにおられます。それは、抗生物質を内服した時期と、粉瘤の袋が破裂した時期がたまたま同じだった、という事です。
粉瘤により命を失うことはまず御座いません。(文献上は、悪性の粉瘤もございますが。)
よって、手術をするか、止めておくかは、手術のデメリット、メリットをきっちりと患者さんに説明させて頂いた上で、いつも患者さんに決めて頂いております。
手術をせずに様子を見ていると、だんだんと大きくなって破裂し一旦炎症が落ち着いて、まただんだんと腫れてきてを繰り返し、だんだんと大きくなっていくことが多いです。
それが嫌であれば手術をするしか御座いません。
くりぬき法で手術致しました。
術後、毎日、シャワー 入浴 OK です。
術後創部は、湿潤療法で治療致しますので、一度も消毒はしておりません。
術後、感染状態にはなりませんでしたので、抗生物質は処方しておりません。