粉瘤(額)をくりぬき法で摘出|
70代の患者さんも痛み少なく安全に手術できた症例
今回は、額にできた粉瘤(アテローム)をくりぬき法で摘出し、
術後も傷跡が目立たずに治癒した70代の患者さんの症例をご紹介します。
👤 患者さんについて
患者さんは70代の方です。
数年前から額に小さなしこり(粉瘤)がありましたが、
徐々に大きくなってきたため、「手術でしっかり取り除きたい」
とのご希望で当院を受診されました。
🩺 手術について
診察の結果、額にできた粉瘤と診断し、くりぬき法で摘出手術を行いました。
手術は局所麻酔で行い、5mmのパンチ器具を使用して粉瘤を摘出しました。
施術時間は10〜15分程度で終了し、痛みも最小限で済みました。
💧 術後の処置と経過
術後の創部は、なつい式湿潤療法で治療しました。
そのため、消毒は一度も行っておらず、ガーゼの使用もしていません。
また、感染症状もみられなかったため、抗生物質の処方も不要でした。
術後当日から、
・シャワー浴も入浴も 毎日OK
・通常の生活も問題なし
という安心していただける術後管理が可能です。
✅ まとめ
・高齢の方でも、くりぬき法による粉瘤手術は安全に行えます
・なつい式湿潤療法により、術後の負担も最小限
・消毒・ガーゼ・抗生物質が不要で、術後の生活制限もほとんどありません
額など目立つ部位の粉瘤でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

術前

術中

術直後

術後1日

術後3日

術後14日

術後1年
🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 粉瘤とは何ですか?
A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。
Q2. 粉瘤は自然に治りますか?
A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。
再発予防には手術による摘出が必要です。
Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?
A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。
Q4. 抗生物質では治らないのですか?
A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です。
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。
よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。
Q5. 手術はどんな方法ですか?
A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で
袋(被膜)まで完全に取り除きます。
傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。
Q6. 術後の処置はどのように行いますか?
A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
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Q7. 術後に再発することはありますか?
A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。
Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?
A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。
Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?
A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。
炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。
Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?
A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。