4歳児の頬のひっかき傷をなつい式湿潤療法で治療|
保育園との連携でスムーズな初期対応
大阪市淀川区・新大阪にある
【こおりたひろ整形形成外科クリニック】院長の郡田です。
今回は、4歳の男の子が保育園で頬を引っかかれて受傷し、
なつい式湿潤療法によってきれいに治癒した症例をご紹介いたします。
🔹 初診時の状況|保育園での応急処置が素晴らしかった
患者さんは、4歳の可愛い可愛い男の子です。
保育園でお友達に頬を引っかかれ、傷を負ってしまいました。
当院の近くにある保育園で、「なつい式湿潤療法」への理解と取り組み
を実践してくださっている園だったため、
保育士の先生が以下のような対応をしてくださっていました:
・傷口は消毒せず
・ワセリンを塗布し、ラップで覆う湿潤環境を維持
・そのまま当院を受診
(本当に素晴らしい対応でした!)
🔹 当院での治療|ハイドロコロイド+なつい式湿潤療法
当院では、傷の状態を確認したうえで、
ハイドロコロイド被覆材を使用したなつい式湿潤療法を行いました。
・一度も消毒はしておりません
(※なつい式湿潤療法の原則として、傷に消毒は禁忌です)
・感染症の兆候も一切なく、抗生物質の処方も不要でした
・シャワー・入浴は毎日OK
✅ まとめ|消毒・抗生物質ゼロでも傷はきれいに治ります
・正しい湿潤環境を維持するだけで、
小児の皮膚は驚くほど早く、きれいに治ります
・消毒やガーゼは逆効果であり、炎症を長引かせたり傷跡を残す原因となります
・保育園・医療機関が連携し、
初期対応から適切な治療へつながることが理想的です
お子さんの顔の傷でお困りの際も、
正しい知識と対応で傷跡を最小限に抑えることができます。
なつい式湿潤療法にご興味のある保護者の方・教育機関の方も、
ぜひ当院までご相談ください。
🌿 なつい式湿潤療法に関するよくあるご質問【FAQ】
Q1. なつい式湿潤療法とは何ですか?
A. 湿潤療法とは、傷を乾かさずに
「湿った環境を保つことで自然治癒力を最大限に助ける治療法」です。
消毒液やガーゼを使用せず、創傷を適度な湿度で保護することで痛みが少なく、
傷跡もきれいに治るのが特徴です。
当院では「なつい式湿潤療法」に基づいた方法で治療を行っています。
Q2. なぜ消毒をしないのですか?
A. 消毒液は細菌だけでなく、皮膚の治癒に必要な細胞まで殺してしまうため、
治りを遅くしたり、かえって傷跡を残しやすくなります。
湿潤療法では、
消毒はせず、皮膚が本来持っている再生能力を最大限助けて治します。
Q3. なつい式湿潤療法ではどんな処置をするのですか?
A. ハイドロコロイドやポリウレタンフィルムなどの
医療用の透明シールやパッドを使用し、傷を覆って湿潤環境を保ちます。
傷の種類に応じてワセリンを併用することもあります。
自宅では入浴・シャワーも基本的に可能です。
Q4. 痛みはありますか?
A. なつい式湿潤療法はガーゼ交換による「剥がすときの痛み」がありません。
また、傷の治癒も早いため、痛みが軽減されるケースが多いです。
痛み止めが不要なことも多く、お子様や高齢者にもやさしい治療法です。
Q5. 傷跡はきれいになりますか?
A. 傷の深さや場所によって個人差はありますが、
なつい式湿潤療法は乾燥させて治す方法に比べて、
傷跡が目立ちにくくなります。
特に顔など目立つ部位には適しています。
Q6. 毎日通院する必要はありますか?
A. 基本的には毎日通院する必要はありません。
ご自宅での処置方法(とっても簡単です)をご説明しますので、
セルフケアで管理が可能です。
ただし、傷の状態によっては数日に1度の通院が必要になることもあります。
Q7. 感染の心配はありませんか?
A. 適切に湿潤環境が保たれていれば、むしろ感染リスクは低くなります。
ただし、異常な痛みや腫れ・熱感・発赤などが出た場合はすぐに受診して下さい。
Q8. 子どもにも適応できますか?
A. はい、なつい式湿潤療法は小さなお子様にも非常に適しています。
傷の痛みが少なく、ガーゼを無理に剥がす必要もないため、
治療のストレスが少なくなります。
当院では数多くのお子様の傷の治療実績があります。
Q9. なつい式湿潤療法が受けられる病院は限られているのですか?
A. はい、なつい式湿潤療法を積極的に導入している医療機関
はまだ多くはありません。
当院では、院長が豊富な症例経験に基づき、
すべての傷に対してなつい式湿潤療法を基本とした治療を行っています。