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背部の粉瘤(アテローム)です。(くりぬき法)

術前

 患者さんは、30代 女性 です。
背部の粉瘤が急に大きくなり、痛みが強くなってきたために、色々と調べられ、ご遠方よりご受診して頂きました。
他院で手術希望で受診したにも関わらず「炎症が強いから。」という理由で、抗生物質だけ処方され、手術を断られる患者さんが多いです。
しかし、炎症が強くても手術は可能です
全く問題無く手術は出来ます。
そして、炎症が強い粉瘤の患者さんが抗生物質を内服致しましても、効果はほとんど御座いません。
炎症が強い粉瘤は、被膜の中で感染しております。よって、被膜の中は、細菌だらけです。
しかし、被膜の中には血管は御座いませんので、抗生物質をいくら内服致しましても、その効果は粉瘤内部にまでは到達致しません。よって、粉瘤に対し抗生物質を内服致しましても、ほとんど効果は無いと思います。
手術はくりぬき法で行いました。
術後は湿潤療法で加療致しますので、一度も消毒はしておりません
また、術後翌日からは、創部に直接シャワーのお湯をかけて、洗い流して頂きます。
よって、毎日シャワー、入浴 OK です。

術前

術前

「くりぬき法」は、内容物を排出し、被膜を小さくしてから、被膜を摘出致します。
よって、小さい創部からでも比較的大きな粉瘤を摘出する事が出来ます。

粉瘤(アテローム)摘出 術中(粉瘤内容物を排出)

術中(粉瘤内容物を排出)

粉瘤(アテローム)摘出 術直後

術直後

摘出された粉瘤被膜

摘出された粉瘤被膜

術後翌日から、この創部に直接シャワーのお湯をかけて、洗い流して頂きます。
これが一番の感染予防となります。
(痛みは不思議とさほど強く御座いません。)

粉瘤(アテローム)摘出 術後1日

術後1日

粉瘤(アテローム)摘出 術後6日

術後6日

粉瘤(アテローム)摘出 術後10日

術後10日

粉瘤(アテローム)摘出 術後17日

術後17日

 

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