頚部の粉瘤をくりぬき法で摘出
|湿潤療法で感染なくきれいに治癒【30代症例】
患者さんは30代の方で、10年ほど前から頚部に粉瘤(アテローム)
があったそうです。
最近になって粉瘤からの臭いが強くなり、気になってインターネットで
情報を検索された結果、くりぬき法による治療が良さそうだと判断されて、
当院(こおりたひろ整形形成外科クリニック)を受診されました。
くりぬき法+なつい式湿潤療法による低侵襲な日帰り手術
診察のうえ、くりぬき法(パンチ除去法)で日帰り手術を行いました。
術後は、創部になつい式湿潤療法を用いて処置しています。
この治療法では、
・消毒は一切不要
・感染していない場合は、抗生物質を使用しない
・術後すぐにシャワー・入浴OK
という特長があり、皮膚の自然な治癒力を引き出すことで、
感染も起こらず痛みもほぼ無く、順調に回復されました。
最近、くりぬき法は自費診療になっているって本当?
近年、一部の医療機関では、くりぬき法を自由診療(自費診療)
として提供しているケースが増えています。
しかし、当院では厚生労働省の基準に基づいて保険診療で対応しています。
術式や処置に関わらず、必要な医療は正当に保険で受けていただけますので、
どうぞ安心してご相談下さい。

術前

術中(粉瘤内容物を排出)

術中(粉瘤被膜を摘出)

術直後

摘出された粉瘤(左内容物、右被膜)

術後1日

術後8日

術後19日
🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 粉瘤とは何ですか?
A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。
Q2. 粉瘤は自然に治りますか?
A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。
再発予防には手術による摘出が必要です。
Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?
A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。
Q4. 抗生物質では治らないのですか?
A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です。
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。
よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。
Q5. 手術はどんな方法ですか?
A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で
袋(被膜)まで完全に取り除きます。
傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。
Q6. 術後の処置はどのように行いますか?
A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
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Q7. 術後に再発することはありますか?
A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。
Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?
A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。
Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?
A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。
炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。
Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?
A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。