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粉瘤(顔・50代)|くりぬき法で袋ごと摘出【大阪・新大阪】

右こめかみの粉瘤(50代女性)の被膜をくりぬき法で摘出している拡大術中写真。袋が鮮明に見える場面。

粉瘤(顔・50代女性)
右こめかみの粉瘤をくりぬき法で摘出【大阪・新大阪】

大阪市淀川区・新大阪にある
こおりたひろ整形形成外科クリニック 院長の郡田です。
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顔に出来た粉瘤は、傷跡が心配で
「どこで治療すればいいか分からない。」
という方が多い部位です。
今回は、右こめかみに生じた粉瘤(50代女性)を、
当院の
 くりぬき法(パンチ切除) で被膜まで完全に摘出し、
術後1年10か月でも傷跡がほとんど分からない症例をご紹介します。


🎥 手術の流れを示す参考動画について(別症例)

当院では以前、顔の粉瘤に対して同じ手技と管理法を用いた
症例の動画を公開しております。

今回の患者さんとは異なるケースですが、手術の流れや仕上がりイメージ
をご理解いただくために、ブログ中でご紹介しています。

👉 参考動画はこちら

元ブログ記事 —
粉瘤(顔)|くりぬき法で摘出し、術後1年経っても傷跡が目立たなかった症例


患者さんについて

  • 50代 女性

  • 右こめかみに粉瘤(しこり)あり。目立ちやすい部位のため、
    傷痕をできるだけ小さくしたいとのご希望で当院を受診

術前の状態(写真)

右こめかみに直径25mm 程度の粉瘤を認めました。
炎症は軽く、典型的な顔の粉瘤の所見でした。

右こめかみに生じた粉瘤(アテローム・50代女性)の術前写真。くりぬき法で摘出予定。

右こめかみにできた粉瘤(50代女性)の術前写真。今回、この部分をくりぬき法で摘出しました。

手術(くりぬき法)/袋まで完全摘出

局所麻酔下で、パンチ器具を用い入口を小さくくり抜き、
粉瘤内容物と 袋(被膜)を丸ごと丁寧に摘出しました。
傷口は非常に小さく、縫合も最小限。

右こめかみの粉瘤(50代女性)をくりぬき法で摘出中の写真。内容物を排出している場面で、出血はほとんど認められない。

右こめかみの粉瘤をくりぬき法で摘出中の様子。内容物を排出している段階で、ほとんど出血はありません。

右こめかみの粉瘤(50代女性)をくりぬき法で被膜ごと摘出している術中写真。袋を完全に除去している場面。

右こめかみにできた粉瘤の被膜(袋)を、くりぬき法で丸ごと摘出している術中写真です。袋を完全に除去することで再発予防につながります。

右こめかみの粉瘤(50代女性)をくりぬき法で摘出した標本写真。左側が内容物、右側が粉瘤の被膜(袋)。

摘出された粉瘤の標本(50代女性)。左が内容物、右が再発の原因となる被膜(袋)です。袋を完全に摘出することで再発予防につながります。

術後の創部(写真)

術後直後の状態。出血はほとんどなく、傷は小さく目立ちにくいものでした。

右こめかみの粉瘤(50代女性)をくりぬき法で摘出した直後の写真。ほとんど出血は認められず、創部は小さく整っている。

右こめかみの粉瘤をくりぬき法で摘出した術直後の様子。ほぼ出血はなく、傷も最小限です。

術後9日の状態

術後9日目には、創部はすでに上皮化が進み、
出血や痛みはほとんどありませんでした。
なつい式湿潤療法により、消毒せずにきれいに治癒が進んでいます。

右こめかみの粉瘤(50代女性)術後9日目の写真。痛みや出血はほぼなく、創部は上皮化が進んでいる。

術後9日目の創部。痛みや出血はほとんどなく、上皮化が順調に進んでいます。

術後1年10か月

術後1年10か月の長期フォローでも、
痛み・違和感は全くなく、傷跡はほとんど分からない状態でした。
顔という目立つ部位でも、くりぬき法となつい式湿潤療法により
自然な仕上がりが得られます。

右こめかみの粉瘤(50代女性)術後1年10か月の写真。痛みや違和感は全くなく、傷跡はほとんど認められない。

術後1年10か月の状態。痛み・違和感は全くなく、傷跡もほとんど目立ちません。

術後のケア — なつい式湿潤療法 による管理

  • 消毒は一切行っていません

  • 毎日シャワー・入浴 OK

  • 傷を乾かさず湿潤環境で保つことで、痛みが少なく、治癒が速い

抗生物質は不要でした

創部は順調に治癒し、感染の兆候は一切ありませんでした。
そのため、 抗生物質は処方しておりません。

まとめ

  • 顔(右こめかみ)の粉瘤をくりぬき法で摘出

  • 被膜まで完全摘出 → 再発リスク極めて低い

  • 傷跡は非常に小さく、術後の仕上がり良好

  • 術後ケアはなつい式湿潤療法で、
    消毒・抗生物質不要、シャワー入浴可

→ 顔の粉瘤で「傷痕が目立つのでは…」と悩まれている方にも、
安心して受けていただける手術法・ケア方法です。

粉瘤手術の実際の症例をもっと見る


💬 よくある質問(FAQ)

Q1. 再発した粉瘤でもくりぬき法で手術できますか?
A1. はい、可能です。再発の原因となる袋を完全に取り除くことで、
再発リスクを大幅に減らせます。

Q2. 手術後は痛いですか?
A2. 局所麻酔を使用しますので、手術中の痛みはほとんどありません。
術後も軽度の痛みで済む方が多いです。

Q3. 消毒や抗生物質は必要ですか?
A3. いいえ。当院ではなつい式湿潤療法を行うため、消毒も抗生物質も不要です。

Q4. 再発しないようにするには?
A4. 粉瘤の袋を完全に摘出することが重要です。
当院では小さな孔からでも袋全体を取り除く技術があります。

くりぬき法の症例一覧はこちら(全症例をまとめてご覧いただけます)


当院の治療理念:なつい式湿潤療法

なつい式湿潤療法」は、日本の形成外科医であり、
湿潤療法の第一人者として高く評価されている
夏井睦先生 によって確立された治療法です。
この治療法は、消毒やガーゼを使用せず、創部を湿潤環境に保つことで、
痛みを最小限に抑え、治癒を促進します。
当院では、夏井先生の効果的な治療理念に基づいた創傷管理を実践しています。
夏井睦先生公式サイト「新しい創傷治療」


🖊️ 執筆者情報

執筆者:郡田 大宇 医師
こおりたひろ整形形成外科クリニック 院長)

専門分野:整形外科・形成外科・熱傷・粉瘤・ほくろ・イボ・巻き爪手術
経験・実績:粉瘤手術を中心に累計6,000件(年間約500件)以上の手術実績
粉瘤、ケガ、やけどなど、くりぬき法なつい式湿潤療法
による症例をブログに1,000例以上掲載しています。

すべての症例は院長自身が診察・手術・経過観察を行っています。

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