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炎症性粉瘤(アテローム)背部(くりぬき法)

術中

 患者さんは、30代です。
20年ほど前より、背部に粉瘤(アテローム)が有ったそうです。
1か月前より痛くなってきたために、近医である〇〇皮膚科を受診されました。
そこの医師から
「炎症が強いから今は何も出来ません。
とりあえず抗生物質を内服して、炎症を抑えましょう。」
と言われ、抗生物質が2週間分処方されました。
抗生物質を内服しましても、ますます痛くなってきたために、炎症が強くても手術をしてもらえる医療機関を探され、当院を受診されました。
当院のブログを見て、炎症が強い粉瘤に対して抗生物質が効果が無いことを知り、すぐに抗生物質の内服を止められたそうです。
炎症が強い粉瘤に対し、抗生物質を処方する医療機関は非常に多いです。
しかし、全く効果が御座いません。
炎症は、粉瘤の袋の中で起こっております。
粉瘤の袋の中には血管は御座いません。
よって、抗生物質の効果は粉瘤の袋の中まで届きません。
まれに、「抗生物質を内服したら袋が破裂しました。」と言われる患者さんがおられます。
しかし、それは抗生物質を内服した時期と、袋が破裂した時期がたまたま同じだったという事であり、抗生物質の効果では御座いません。
炎症が強くなってまいりますと、10日以内に破裂することが多いです。
また、炎症が強い粉瘤であっても、全く問題なく「くりぬき法」で手術出来ます。
術後、感染状態にはなりませんでしたので、抗生物質は処方しておりません。
術後創部は、湿潤療法で治療致しますので、一度も消毒はしておりません。
術後、毎日、シャワー 入浴 OK です。

 

術前

術前

術中

術中

術直後

術直後

摘出された粉瘤の袋と内容物

摘出された粉瘤の袋と内容物

術後1日

術後1日

術後4日

術後4日

術後11日

術後11日

術後3か月

術後3か月

 

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