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拇指切断|手術せずに指が再生した症例

Left lateral view of a thumb with fingertip amputation caused by an electric saw, showing loss of the nail and skin, typically considered for flap surgery or stump revision.

はじめに

電動のこぎりによる指先切断後52日目の左右拇指比較写真。右拇指が受傷側で、なつい式湿潤療法により左右差はほぼ認められない状態。

なつい式湿潤療法継続52日目の左右拇指比較。右拇指が切断していた指だが、健側と比較しても左右差はほぼ認められない。

今回ご紹介するのは、
「もう元には戻らない」
「指は必ず短くなる」
「皮弁手術が必要」

と大学病院で説明された拇指切断症例です。

しかし実際には、
手術も、抗生物質も、一切行わず
なつい式湿潤療法のみで、拇指はきれいに再生しました。

患者さんご本人にとっても、
医療の常識を疑う意味でも、
非常に示唆に富む症例だと考えています。


受傷状況

電動のこぎりで指先を切断し、爪および皮膚が欠損した拇指の初診時背側所見。一般的には皮弁術や断端形成術の適応と考えられる状態。

初診時 背側

  • 60代 男性

  • 電動ノコギリによる外傷

  • 右拇指をほぼ切断

救急搬送先は○○大学病院でした。


大学病院での説明と処置

大学病院では、以下のように説明されたそうです。

  • 指は再生しない

  • 必ず短くなる

  • 消毒・軟膏・ガーゼ処置が必要

  • 将来的に皮弁手術が必要

患者さんは、
「もう元の指には戻らない」
という説明に、強い絶望感を抱かれました。


当院を受診された経緯

絶望の中、
患者さんはインターネットで必死に情報を探し、
当院のブログに辿り着かれました。

「藁にもすがる思いでした」

と後に語ってくださいました。


当院初診時の判断

電動のこぎりで指先を切断し、爪および皮膚・軟部組織が欠損した拇指の初診時正面所見。一般的には皮弁術や断端形成術の適応と判断される状態。

初診時 正面

診察の結果、

  • 創は感染していない

  • 組織の再生能力は十分に残っている

と判断しました。

そこで患者さんに、はっきりとお伝えしました。

  • 手術は必要ありません

  • 皮弁手術は絶対に受けてはいけません

  • なつい式湿潤療法で、指はきれいに再生します


なつい式湿潤療法について説明したこと

  • 消毒は行わない

  • 乾かさない

  • 創傷被覆材で適切に覆う

  • 感染所見がないため、抗生物質は処方しません


経過と結果
以下に、拇指の再生過程を「背側・掌側・側面・正面」
それぞれの方向から、初診時から63日目まで時系列で示します。

背側

電動のこぎりで指先を切断し、爪および皮膚が欠損した拇指の初診時背側所見。一般的には皮弁術や断端形成術の適応と考えられる状態。

初診時

電動のこぎりによる指先切断後9日目の拇指背側所見。なつい式湿潤療法により上皮形成が進み、断端が指先特有の丸みを帯び始めている状態。

9日目

電動のこぎりによる指先切断後23日目の拇指背側所見。なつい式湿潤療法により炎症所見は消失し、上皮化が進行している状態。

23日目

電動のこぎりによる指先切断後37日目の拇指背側所見。なつい式湿潤療法により指先の再生が明瞭となり、炎症所見は認められない状態。

37日目

電動のこぎりによる指先切断後52日目の拇指背側所見。なつい式湿潤療法によりほぼ治癒し、疼痛や炎症所見は認められない状態。

52日目

電動のこぎりによる指先切断後63日目の拇指背側所見。なつい式湿潤療法により左右差はほぼなく、疼痛や炎症所見は認められない状態。

63日目

掌側

電動のこぎりで指先を切断し、爪および皮膚・軟部組織が欠損した拇指の初診時掌側所見。一般的には皮弁術や断端形成術の適応と判断される状態。

初診時

電動のこぎりによる指先切断後9日目の拇指掌側所見。なつい式湿潤療法により上皮形成が進行し、断端が指先特有の丸みを帯び始めている状態。

9日目

電動のこぎりによる指先切断後23日目の拇指掌側所見。なつい式湿潤療法により炎症所見は認められず、上皮化が安定して進行している状態。

23日目

電動のこぎりによる指先切断後37日目の拇指掌側所見。なつい式湿潤療法により指先の再生が明瞭となり、炎症所見は認められない状態。

37日目

電動のこぎりによる指先切断後52日目の拇指掌側所見。なつい式湿潤療法により指腹を含む指先はほぼ治癒し、疼痛や炎症所見は認められない状態。

52日目

電動のこぎりによる指先切断後63日目の拇指掌側所見。なつい式湿潤療法により指腹を含む指先は完成し、疼痛や炎症所見は認められない状態。

63日目

左側面

電動のこぎりで指先を切断し、爪および皮膚が欠損した拇指の初診時左側面所見。一般的には皮弁術や断端形成術の適応と考えられる状態。

初診時

電動のこぎりによる指先切断後9日目の拇指左側面所見。なつい式湿潤療法により上皮形成が進行し、断端が指先特有の丸みを帯び始めている状態。

9日目

電動のこぎりによる指先切断後23日目の拇指左側面所見。なつい式湿潤療法により炎症所見は認められず、上皮化が安定して進行している状態。

23日目

電動のこぎりによる指先切断後37日目の拇指左側面所見。なつい式湿潤療法により指先の再生が明瞭となり、炎症所見は認められない状態。

37日目

電動のこぎりによる指先切断後52日目の拇指左側面所見。なつい式湿潤療法により指先はほぼ治癒し、疼痛や炎症所見は認められない状態。

52日目

電動のこぎりによる指先切断後63日目の拇指左側面所見。なつい式湿潤療法により左右差はほぼなく、疼痛や炎症所見は認められない状態。

63日目

右側面

電動のこぎりで指先を切断し、爪および皮膚・軟部組織が欠損した拇指の初診時右側面所見。一般的には皮弁術や断端形成術の適応と判断される状態。

初診時

電動のこぎりによる指先切断後9日目の拇指右側面所見。なつい式湿潤療法により上皮形成が進行し、断端が指先特有の丸みを帯び始めている状態。

9日目

電動のこぎりによる指先切断後23日目の拇指右側面所見。なつい式湿潤療法により炎症所見は認められず、上皮化が安定して進行している状態。

23日目

電動のこぎりによる指先切断後37日目の拇指右側面所見。なつい式湿潤療法により指先の再生が明瞭となり、炎症所見は認められない状態。

37日目

電動のこぎりによる指先切断後52日目の拇指右側面所見。なつい式湿潤療法により指先はほぼ治癒し、疼痛や炎症所見は認められない状態。

52日目

電動のこぎりによる指先切断後63日目の拇指右側面所見。なつい式湿潤療法により左右差はほぼなく、疼痛や炎症所見は認められない状態。

63日目

正面

電動のこぎりで指先を切断し、爪および皮膚・軟部組織が欠損した拇指の初診時正面所見。一般的には皮弁術や断端形成術の適応と判断される状態。

初診時

電動のこぎりによる指先切断後9日目の拇指正面所見。なつい式湿潤療法により上皮形成が進行し、断端が指先特有の丸みを帯び始めている状態。

9日目

電動のこぎりによる指先切断後23日目の拇指正面所見。なつい式湿潤療法により炎症所見は認められず、上皮化が安定して進行している状態。

23日目

電動のこぎりによる指先切断後37日目の拇指正面所見。なつい式湿潤療法により指先の再生が明瞭で、炎症所見は認められない状態。

37日目

電動のこぎりによる指先切断後52日目の拇指正面所見。なつい式湿潤療法により指先はほぼ治癒し、疼痛や炎症所見は認められない状態。

52日目

電動のこぎりによる指先切断後63日目の拇指正面所見。なつい式湿潤療法により左右差はほぼなく、疼痛や炎症所見は認められない状態。

63日目

創は徐々に上皮化し、
指先の形態も、爪のラインも、自然に再建されていきました。

結果として、指は短縮することなく再生しました。

電動のこぎりで指先を切断し、爪および皮膚が欠損した拇指の初診時背側所見。一般的には皮弁術や断端形成術の適応と考えられる状態。

初診時 背側

電動のこぎりによる指先切断後63日目の拇指背側所見。なつい式湿潤療法により左右差はほぼなく、疼痛や炎症所見は認められない状態。

63日目 背側


最後の診察時、患者さんの言葉

最終診察の際、患者さんはこう言ってくださいました。

「指が元に戻って本当によかったです。
先生のブログを見ていたので、ここへ来ることが出来ました。
本当に有難う御座いました。」

医師として、
これほど嬉しい言葉はありません。


この症例から伝えたいこと

  • 切断=再生しない、ではありません

  • 皮弁手術は“最終手段”であり、安易に選択すべきではありません

  • 正しい知識があれば、患者さんの未来は変わります

このブログが、
どこかで同じように悩み、苦しんでいる患者さんの
「希望」や「選択肢」につながれば、これ以上の喜びはありません。


🌿 なつい式湿潤療法に関するよくあるご質問【FAQ】

Q1. なつい式湿潤療法とは何ですか?

A. 湿潤療法とは、傷を乾かさずに
「湿った環境を保つことで自然治癒力を最大限に助ける治療法」です。

消毒液やガーゼを使用せず、創傷を適度な湿度で保護することで痛みが少なく、
傷跡もきれいに治るのが特徴です。

当院では「なつい式湿潤療法」に基づいた方法で治療を行っています。


Q2. なぜ消毒をしないのですか?

A. 消毒液は細菌だけでなく、皮膚の治癒に必要な細胞まで殺してしまうため、
治りを遅くしたり、かえって傷跡を残しやすくなります。

なつい式湿潤療法では、
消毒はせず、皮膚が本来持っている再生能力を最大限助けて治します。


Q3. なつい式湿潤療法ではどんな処置をするのですか?

A. ハイドロコロイドやポリウレタンフィルムなどの
医療用の透明シールやパッドを使用し、傷を覆って湿潤環境を保ちます。

傷の種類に応じてワセリンを併用することもあります。
自宅では入浴・シャワーも基本的に可能です。


Q4. 痛みはありますか?

A. なつい式湿潤療法はガーゼ交換による「剥がすときの痛み」がありません。
また、傷の治癒も早いため、痛みが軽減されるケースが多いです。
痛み止めが不要なことも多く、お子様や高齢者にもやさしい治療法です。


Q5. 傷跡はきれいになりますか?

A. 傷の深さや場所によって個人差はありますが、
なつい式湿潤療法は乾燥させて治す方法に比べて、
傷跡が目立ちにくくなります

特に顔など目立つ部位には適しています。


Q6. 毎日通院する必要はありますか?

A. 基本的には毎日通院する必要はありません。
ご自宅での処置方法(とっても簡単です)をご説明しますので、
セルフケアで管理が可能です。

ただし、傷の状態によっては数日に1度の通院が必要になることもあります。


Q7. 感染の心配はありませんか?

A. 適切に湿潤環境が保たれていれば、むしろ感染リスクは低くなります。
ただし、異常な痛みや腫れ・熱感・発赤などが出た場合は
すぐに受診してください。


Q8. 子どもにも適応できますか?

A. はい、なつい式湿潤療法は小さなお子様にも非常に適しています。
傷の痛みが少なく、ガーゼを無理に剥がす必要もないため、
治療のストレスが少なくなります。

当院では数多くのお子様の傷の治療実績があります。


Q9. なつい式湿潤療法が受けられる病院は限られているのですか?

A. はい、なつい式湿潤療法を積極的に導入している医療機関
はまだ多くはありません。

当院では、院長が豊富な症例経験に基づき、
すべての傷に対して湿潤療法を基本とした治療を行っています。
なつい式湿潤療法ブログ一覧を見る

※当院のブログは、すべて院長が自ら執筆しております。
SEO対策業者の皆様から数多くご連絡を頂きますが、
今後も自院の実際の症例に基づき、
院長が責任をもって情報発信を続けてまいります。
どうぞご理解いただきますようお願い申し上げます。


🖊️ 執筆者情報

執筆者:郡田 大宇 医師
こおりたひろ整形形成外科クリニック 院長)
専門分野:整形外科・形成外科・熱傷・粉瘤手術
経験・実績:粉瘤手術を中心に累計6,000件(年間約500件)以上の手術実績。
粉瘤、ケガ、やけどなど、くりぬき法なつい式湿潤療法による症例を
ブログに1,000例以上掲載しています。

すべての症例は院長自身が診察・手術・経過観察を行っています。
院長プロフィールを見る

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