大阪市淀川区・新大阪にある
こおりたひろ整形形成外科クリニック 院長の郡田です。
今回は、頚部(首)にできた粉瘤(アテローム)が再発し、
くりぬき法で安全に摘出した50代男性の症例をご紹介いたします。
👨⚕️ 患者さんについて|過去に手術歴あり、再発して当院へ
患者さんは50代の男性です。
数年前より首に粉瘤があり、約5年前に一度、他院で手術を受けた経験があるとのことでした。
しかし最近になって同じ場所が再び腫れてきたため、
「炎症があっても手術してもらえる医療機関」をネットで検索され、
当院を受診されました。
🔧 手術について|再発粉瘤に対してもくりぬき法で対応
粉瘤は、袋(被膜)ごと完全に摘出しない限り再発の可能性があります。
今回は、5mmのパンチを使用した「くりぬき法」で、再発した粉瘤の袋までしっかり摘出いたしました。
当院では、炎症があっても問題なく手術を行っております。
むしろ、炎症によって粉瘤の袋が浮いてきているため、摘出しやすいこともあります。
💧 術後の処置|なつい式湿潤療法を採用
術後の創部管理には、「なつい式湿潤療法」を採用しております。
そのため、
・創部の消毒は一切行いません。
・抗生物質の処方も不要でした。
・術後、翌日からシャワー・入浴OKです。
患者さんも、傷の痛みや不快感がほとんどなく、普段通りの生活を送られておりました。
✅ まとめ|再発粉瘤も安全・清潔に手術可能です
再発した粉瘤であっても、
適切な術式(くりぬき法)と管理法(なつい式湿潤療法)
を用いれば、安全に治療が可能です。
術後は
・傷跡が目立ちにくく
・感染リスクも低く
・日常生活をほとんど制限されない
ため、再発や炎症を起こしていても、早めの受診・手術が最も有効な選択肢です。
頚部の粉瘤でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

術前

術中

術直後

術後1日

術後4日

術後11日
🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 粉瘤とは何ですか?
A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。
Q2. 粉瘤は自然に治りますか?
A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。
再発予防には手術による摘出が必要です。
Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?
A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。
Q4. 抗生物質では治らないのですか?
A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です。
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。
よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。
Q5. 手術はどんな方法ですか?
A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で
袋(被膜)まで完全に取り除きます。
傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。
Q6. 術後の処置はどのように行いますか?
A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
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Q7. 術後に再発することはありますか?
A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。
Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?
A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。
Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?
A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。
炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。
Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?
A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。