他院で治療をしていてもなかなか治らない為に、当院を受診される患者さんもおられます。(もちろん、その逆の方もおられると思います。)
その患者さん達の約半数は、無意味な抗生物質を処方されておられます。
結論から申し上げますと
風邪、爪の肉芽、粉瘤に対し、抗生物質を内服されても、治りません。
治らないどころか、無意味な抗生物質を内服しますと、身体を壊します。
① 風邪はウィルス感染によって発病いたします。
抗生物質はウィルスを殺す効果はないです。
抗生物質は、細菌を殺します。
ウィルスと細菌は全く別物です。
② 爪の肉芽に対しても、効果は御座いません。
なぜかと言うと、爪の肉芽は感染したからなった訳ではないからです。
ほとんどの場合、深爪をした結果、爪のエッジが皮膚にくい込んでしまい、結果的に肉芽が形成されます。
感染状態では御座いません。
③ 粉瘤に対しても、抗生物質は無効です。
粉瘤の被膜には、粉瘤の被膜の内部には血管は走っておりません。
抗生物質を内服しましても、絶対に粉瘤にそのお薬の効果は届きません。
抗生物質は全身の細菌を殺しにかかります。
大腸菌が殺されますので下痢をします。
女性であれば、膣常在菌が殺されますのでカンジダになりやすくなります。
細菌感染を起こした場合は、内服する必要が有りますが、全く効果が無い疾患に対し抗生物質が処方されるケースが非常に多い印象を受けます。
抗生物質は非常に強いお薬です。
最適な場面で内服されますと、非常に良い結果をもたらしますが、無意味な場面での内服は、健康障害を引き起こします。
抗生物質が処方された際には、自分の疾患に対し本当に効果があるのかを十分に主治医に相談してから、内服される事をお勧め致します。
最後にもう一度、書かせて頂きます。
風邪、爪の肉芽、粉瘤に対し、抗生物質を内服されても、治りません。