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粉瘤(腰部・炎症性)をくりぬき法で摘出|炎症が強くても安全に手術・術後は毎日入浴OK

術前2

大阪市淀川区・新大阪にある こおりたひろ整形形成外科クリニック
院長の郡田です。

今回は 腰にできた炎症性粉瘤(アテローム)を、くりぬき法で安全に摘出し、
術後もスムーズに回復した40代患者さんの症例
をご紹介します。


🧑‍⚕️ 患者さんについて

年齢・性別:40代・男性
・発症経緯:数年前から腰部に粉瘤があったが、最近腫れて痛みが増大
・初期対応:〇〇皮膚科で「炎症が強いと手術できない」と説明され、抗生剤のみ処方
・経過:抗生剤内服後も縮小せず、むしろ腫脹・疼痛が増強
・当院受診理由:「炎症が強くても手術可能な医療機関」をネット検索して来院


❌ 炎症性粉瘤に抗生物質が効かない理由

粉瘤の袋(被膜)内部には 血管がありません
そのため、経口抗生物質を服用しても 薬剤の効果が患部まで届かず、
炎症が改善しない
のです。

むしろ時間が経つほど袋が破裂して膿瘍化し、痛みが強くなるケースが少なくありません。


🔧 手術:5 mmパンチによる「くりぬき法

・術式:局所麻酔下に 5 mm パンチを使用
・ポイント:袋(被膜)まで完全に摘出し、再発リスクを最小化
・炎症下手術のメリット:炎症で袋が浮き上がっているため、
むしろ摘出しやすい ことも多い


💧 術後管理:なつい式湿潤療法

  1. 消毒は一切行いません

  2. 抗生物質の追加処方は不要(術後も感染なし)

  3. 翌日からシャワー・入浴OK ― 日常生活の制限は最小限


📈 経過と結果

・術後は痛みも速やかに軽快
・創部は湿潤環境を保つことで肉芽形成が促進
・早期に上皮化し、きれいに治癒
患者さんからは

「炎症が強くても手術できて本当に良かった。もっと早く来ればよかった」
との感想をいただきました。


✅ まとめ ― 炎症が強い粉瘤でも手術は可能です

・抗生物質だけでは治りにくい → 早期の手術が根本治療
・くりぬき法+なつい式湿潤療法 で傷跡・再発リスクを最小限に
・術後は 消毒・ガーゼ交換不要、毎日入浴OK で生活負担が少ない

腰や背中の痛む粉瘤でお困りの方は、炎症の有無にかかわらずお気軽にご相談下さい。

術前

術前

術中

術中

術直後

術直後

術後1日

術後1日

術後4日

術後4日

術後11日

術後11日

術後23日

術後23日

🔵 粉瘤(アテローム)に関するよくあるご質問(FAQ)


Q1. 粉瘤とは何ですか?

A.
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。
中には皮脂や角質が溜まっており、自然に消えることはほとんどありません。
放置すると炎症を起こし、腫れ・痛み・膿が出ることがあります。


Q2. 粉瘤は自然に治りますか?

A.
自然に治ることは基本的にありません。
小さくなることがあっても、内部の袋(被膜)が残るため、
再発することが多いです。

再発予防には手術による摘出が必要です。


Q3. 炎症があるときは手術できないのですか?

A.
他院で「炎症があると手術できない」と言われることがありますが、
当院では炎症があっても「くりぬき法」による手術が可能です。
むしろ早期の手術により、痛みや腫れが早く改善します。


Q4. 抗生物質では治らないのですか?

A.
炎症が強い粉瘤には抗生物質は無効です
なぜなら、炎症は袋の内部で起きており、その袋には血流がないため、
薬の効果が届かないからです。

よって、袋ごと手術で取り除くことが根本的な治療になります。


Q5. 手術はどんな方法ですか?

A.
当院では「くりぬき法」という方法を用いて、できるだけ小さい傷で
袋(被膜)まで完全に取り除きます。

傷跡も非常に小さく、術後の痛みも最小限です。


Q6. 術後の処置はどのように行いますか?

A.
なつい式湿潤療法という方法で、傷を乾かさずに治す処置を行っています。
・消毒しません
・ガーゼ交換不要
・シャワー・入浴も翌日からOK
・抗生物質も基本的に処方しません
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Q7. 術後に再発することはありますか?

A.
袋を完全に摘出できれば再発はほとんど御座いません。
当院では術中に被膜をしっかり取り除くことを重視しています。


Q8. 手術後の痛みや腫れはどの程度ありますか?

A.
炎症が強かった症例でも、術後の痛みは少ないケースがほとんどです。
多くの患者様が「想像していたより痛くない」と話されます。


Q9. 粉瘤が小さいうちに手術した方が良いですか?

A.
はい、小さいうちに手術することで、傷跡も小さく、
手術時間や回復も短く済みます。

炎症が起きてからでは、痛みも強く治療が複雑になります。


Q10. 粉瘤の手術は健康保険が使えますか?

A.
はい、粉瘤の手術は保険診療の対象です。
手術の規模や部位により、負担額が異なる場合があります。

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