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植皮が必要と言われた腕の熱傷(なつい式湿潤療法)

初診時1

 患者さんは、40代です。
ガスボンベが爆発し、熱傷されました。
地元の基幹病院である〇〇総合病院を受診。
暫くの間、フィブラストスプレー、ガーゼ処置を受けられていたそうです。
受傷3日後の受診の際に主治医から
「植皮をしなければ治りません。
明後日、植皮手術の説明を致しますのでご家族の方と受診して下さい。」
と言われたそうです。
「治らないのは、あなたがフィブラストスプレーを使用したからだ!」
と私がその場に居れば叫んでいたと思います。
そこで、植皮をせずに何とか治らないかと、必死で色々と調べられ、
なつい式湿潤療法」にたどり着き、当院を受診されました。
植皮手術の説明予定日の前日です。
ぎりぎり間に合いました。
もちろん植皮なんてする事無く、治る事を説明させて頂きました。
最初、不安でいっぱいだったお顔が、手術せずに綺麗治る事を説明をさせて頂いた瞬間、
パッと明るくなりとても安心されたご様子でした。
しかし、半分は疑いの目をされておられました。
そりゃあそうです。
大病院の部長先生から手術をしなければ治らないと言われているにも関わらず、
ちっぽけな私の様なたいした肩書も無い町医者から
「手術しなくても治ります。」
と言われても、疑って当然だと思います。
プラスモイストを用いて治療致しました。
すっかり綺麗に治った際には、
「先生を信じて良かったです。」
と言って頂き、嬉しかったです。
「先生、凄い!」とも。
しかし、凄いのは私では無く「なつい式湿潤療法」で御座います。
なつい式湿潤療法で治療致しますので、一度も消毒はしておりません。
感染状態にはなりませんでしたので、抗生物質は処方しておりません。
毎日、シャワー、入浴 OK です。

 しかし、いつまでこの程度の熱傷に対し
「植皮手術」を勧める医療機関が後を絶たないのでしょうか?
植皮手術って、ちょっと切って貼るなんて簡単な手術では無いんです。
植皮をする為に、自分の正常な皮膚を剥がなければなりません。
その部位にはもちろん傷跡が残ります。
今回の熱傷の方に植皮をするとなると、結構な範囲の皮膚が剥ぎ取られるでしょう。
そして、移植された側にもケロイド状の跡が残る事が多いです。
植皮がどうしても必要な症例(1歳半以下の手掌熱傷、強い関節拘縮を伴う熱傷等)
以外であれば、「なつい式湿潤療法」で治療すれば痛みはほぼ無く、安価で綺麗に治るのに、
強い痛みを伴い傷跡が残る高価な「植皮手術」を選択する医師が未だにいることが、
私には本当に信じられません。
心ある医師は、もういい加減意地をはる事は止め、
素直に「なつい式湿潤療法」の素晴らしさを理解する努力をするべきです。
今日も植皮術を受け、術後の痛みやケロイド様の術後の状態を見て
泣き叫んでいる患者さん(特にお子様)が居るのかと思うと、
胸が引き裂かれそうです。
前置きが長くなり、申し訳ございません。

 

初診時

初診時

初診時(水疱膜を切除)

初診時(水疱膜を切除)

加療後7日

加療後7日

加療後17日

加療後17日

 

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